2週間くらい前の話になりますが、メトロポリタンオペラのライブビューイングで『ドン・ジョヴァンニ』を観ました。
現地ニューヨークでは10月に上演された演目で、奇をてらわない舞台、感情表現がすんなりと入ってくる演出、で非常にしっくりと観ることができました。
タイトルロールのキーンリーサイドはもちろん、周りを固める3人の女性、その他の歌手もとても聴きごたえがあり、キーンリーサイドはイケメンな上になかなかのインテリだということもわかりました。
メトのライブビューイングは、幕間にインタビューがあり、歌手の別の一面を見ることができるのも、ファンにとっては楽しみのひとつなのです。なんて商売上手なの~~。
それにしても、ドン・ジョヴァンニという人物は、自分勝手で、好きなように生きていて、どんなもんかと思いますよね(笑)
普通の人は、誰かに気を遣ったり、反省しながら生きているわけですが、それが無い。常にポジティブシンキング。実際に恋人だったら困る男なわけです。ですが、舞台でこれを素敵なバリトンが演じたりしていると、悪役なのに心惹かれてしまう。
私も、今年の1月に『ドン・ジョヴァンニ』を企画し公演してからは、このオペラが大好きになりました。
それまで、私にとってのモーツァルトは、幼少時のトラウマから(・・・この話はまた機会があったら)どちらかというと苦手だったのですが・・・。
今は「ドンナ・アンナ」という役にも思い入れができ、もしも今度やる機会があったならこうしたい、と思ったりもしています。
どのオペラについても、「自分が好きで何回も観ている」というのと、「実際に演唱してみた」ということの間には、ものすご~~い開きがあります。そのぶん、苦労の甲斐あって少しでもできるようになると、本当に嬉しいし、感動します。
ドンナ・アンナのアコンパニャート(オケが合いの手で入るレチタティーボ)を最初DVDで見たときは、こんなことが自分にできる日が来るとは思っていませんでしたので。