次の美術展は、サントリー美術館「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」です。
仏像の他に、屏風や日記も多数展示されていて、充実の内容でした。
入っていくとまず、ポスターにもなっている如意輪観音坐像が!
美しいフォルムと、なんともいえない癒しモードの表情にうっとり。
オーラがあるというか、いつまでもそばに居たいような、素敵なお姿でした。
ですが、ここにばかり居るわけにもいかないので、先に進みます。
屏風や曼荼羅図もどんどん見て、快慶作の不動明王坐像です。
そんなに大きな仏像ではありませんが、精緻な作りで、細かい表情もよくわかります。
快慶作のお不動様は、思ったより優しげで、ダメな庶民も救済してくれそうでした。
続いての五大明王像のお部屋は、偶然なのか背景が紅白で、おめでたい感じになっていました。
ウルトラの星から来たのではないかと思わせる、ぎょろりとした目の張り出し。
すらりと伸びた手足も、その当時の日本人をモデルにしたとは考えにくい。
大威徳明王さまだけは水牛に乗っているのですが、その水牛も、ちょっとその辺では見ないような変わった感じの牛でした。
この牛もウルトラの星から連れてきたのかも。
ホールには、薬師如来像と両脇侍像(日光・月光菩薩)。
かなり大きな仏像で、迫力があります。
運ぶの、大変だっただろうな。
三像の後ろには、緑色の紗幕が掛かっているのですが、仏像の色とも調和してオシャレ。
こういう展示の仕方も、サントリー美術館はセンスがあります。
会場の壁には、アクリルケース(?)に入った桜の花びらが、ところどころに埋め込まれていて、なんだろうと思っていたら、住友林業さんが作った、豊臣秀吉ゆかりのしだれ桜のクローンでした。
ここにきて、まさかの現代テクノロジー。
「醍醐の花見」では、この桜吹雪が舞う中を、晩年の秀吉が栄華を誇り、宴をしたのでしょうか。
しかしその半年後には、秀吉はこの世を去っているのです。
なんと儚い夢でしょう。
醍醐寺の美術展はバラエティに富んでいて、それがセンスよく配置してあり、落ち着いた展示会だと思いました。
この展示会も全期(~10/15)と後記(10/17~)で展示替えをするそうなので、もう一度足を運びたいと思います。