野崎さんを偲ぶ

深川江戸資料館、この日の入り口

昨日は、清澄白河の深川江戸資料館で「野崎紀さんを偲ぶコンサート」でした。

一昨日もリハーサルで行ったので、2日連続で清澄白河。

 

思い出を少しばかり。

野崎さんは、若い頃は官庁の仕事で海外赴任もされた切れ者と聞いていましたが、私が知り合ったときは既に70代。

切れ者で怖いといった印象は全くなく、歌好きで、超博識のご尊老であった。

本場のオペラをたくさん観られたせいか、難曲にもひるまずチャレンジされていたように思う。

2015年秋にはご自身の傘寿のコンサートをご自身で企画。

それは3時間以上にも及ぶ長大なコンサートで、ドイツリートやらフランス歌曲やらオペラの重唱やら、とにかくやりたい曲は全部やった感じの、超盛りだくさんなコンサートであった。

その時私は『イル・トロヴァトーレ』の重唱でご指名を受けたので、一緒に歌わせていただいた。

ご家族の話だと、「米寿にもまたやりたい」とおっしゃっていたようだが、それは叶わなかったわけである。

でも、とても充実した、力強い人生を生き抜いた方だと思う。

若輩者の私が言うのもなんだけど。

 

昨日のコンサートは、野崎さんのたくさんの音楽仲間が集まり、演奏し、献花ならぬ献歌が行われたと言える。

私も、イタリア歌曲と『イル・トロヴァトーレ』の「穏やかな夜」を歌わせていただきました。

野崎さんはヴェルディのオペラも好きだったから。

 

最後は『魔笛』のコーラス、『ナブッコ』の「行けわが想いよ黄金の翼に乗って」を全員で大合唱。

素敵な一周忌コンサートだった。