是非とも行ってみたいと思っていた、塩田千春さんの個展「魂がふるえる」(2019年6月20日~10月27日)に行ってきました。
入り口からして、ふわふわした羽のような舟《どこへ向かって》に誘われて、わくわく。
赤い毛糸が毛細血管のように張り巡らされ、ずっとそこにいると、身体の中にいるようにも外にいるようにも感じられる《不確かな旅》。
焼かれたピアノが、観客席と無数の細く黒いリボンで繋がっていて、それが煤のようにも、立ち上る音のようにも見える《静けさの中で》。
天井から赤いロープで吊るされたスーツケースだけが川の流れのように旅をしている《集積-目的地を求めて》。
森美術館の広い空間を利用した、これらの大きなインスタレーションは圧倒的です。その他の小さな展示も凝っていて、独自の世界観を放っていました。
撮影禁止エリアには、舞台美術に関する展示もあり、塩田千春さんがワーグナー作品のオペラなどの舞台美術も手掛けていることを知りました。
なるほど、と腑に落ちたような気がしました。
なんとも言えない不安感、不協和音、それらが記憶を呼び覚ます、なおかつスケールの大きな作品、ぴったりかも。
それにしても、夢に出て来そうです。