12月1日は、歌仲間の平松さんのお別れの会でした。
私たちのオペラでは必ず、客席から「ブラボーーー!」と声をかけてくれていた平松さん。
今年の6月も『フィガロの結婚』を観に来てくださっていた。
闘病されていたことは知っていたが、あれが最後になってしまった・・・。
会場には、壁一面に生前の映像が映し出され、そこには歌っている平松さんがいる。
『魔笛』のパパゲーノはコミカルに、『仮面舞踏会』のレナートはシリアスに。
『道化師』のトニオの前口上なんて、これから本当にオペラが始まりそうだ。
でも、ご本人はそこには居ない。
いや、きっと来てくれていて、一緒に歌っているはずだ、と思う。
お洒落で、博識で、食べることが好きで、楽しいことが大好きだった平松さんにふさわしく、会場は大盛り上がりだった。
「翼をください」を全員で歌いながら、私は涙が止まらなかった。
人はいつか死ぬ。
身近な人が亡くなるたびに、時間には限りがあることを思い知らされる。
私は悔いなく生きることが出来ているだろうか。
平松さんが描いた絵を焼き付けたマグカップを、帰りにいただいた。
これは『魔笛』の最初のシーンだ。