春~初夏に出かける機会をすっかり失ってしまったため、箪笥の肥やしになりかけていた単衣(ひとえ)の米沢紬。
紫がかった光沢のある茶色なので、むしろ秋に合うと思い、「10月だけど、まだ暑いから単衣で良いか!」ということで、着て出かけていました。
しかし、このところ一気に寒くなってしまい、さすがにそろそろ袷(あわせ)かなと。
数回しか着ていないのに、単衣の衿が汚れています。
気を付けていても、衿には皮脂やファンデーションの汚れがついてしまうんですよね・・・。
竹久夢二の美人画みたいに首が細くて長い人は、衿は汚れないのかもなあ。
そういう人、うらやましい。
私は首が短い上に、二重あごなので!(笑)
以前テキトーに汚れ落としに挑戦し、かえって染みが広がってグダグダになったことがありました(泣)
でも、今回はYon Tubeを何本も見て勉強した。
特に参考になったのは、「たかはしきもの工房」さんの「趣通信」。
「リグロイン」と「ガーゼ」と「タオル」を用意し、換気扇も回して、やってみました。
着ると見えなくなる下前の隅っこで、テストもしました。
この薬剤はケチらないことがポイントかも。
着物の下に「タオル」をセット。
「ガーゼ」に「リグロイン」を染み込ませ、最初は叩くように、途中から軽く拭くようにしました。
輪染みにならないように境界線をぼかします。
後は1日くらい着物を吊るしておく。
汚れがついて日にちが浅いためか、茶色の米沢紬はキレイになりました。
You Tube、ありがとう。
他の着物もやってみよう。
少し時間が経っている江戸小紋も、だいぶ染みが薄くなり、ほとんど分からなくなりました(と思う)。
四君子の小紋は、表面の汚れは取れたけれど、薄い筋が残ってしまった。
これは古い染みなのかもしれません。
でも、染みをつけるんじゃないかとビクビクして着物を着ないのも、ちょっとつまらない気がするし、そういうことも含めて「この着物の歴史」くらいに思うことにしよう。
自分で手入れするにしろ、悉皆(しっかい)屋さんに出すにしろ、早目にやったほうが良いんだよね、と思った秋の夕暮れです。