演奏会に出演したあと、熱が出た。
38.3度である。
2度のワクチン接種は終わっているし、このところ忙しかったから疲れが出ただけだろうとは思ったけれど、熱が出るのは心配である。しかもやたらと脈が速い。
不安な気持ちのまま眠ってみたが、あまり状況は改善しなかった。
このような場合、どうするべきなのだろうか。
そうだ、何かのフローチャートみたいなやつで見た、まず「かかりつけ医」に電話だ。
そう思った私は「かかりつけ医」に電話してみたが、受付の人が言うには、発熱外来は予約でいっぱいなので「東京都発熱相談センター」に相談してみてほしい、とのことだった。
ちょっとがっかりしたが、凹んでいる場合ではない。
次は「東京都発熱相談センター」に電話だ。
「東京都発熱相談センター」はなんと24時間対応している。
症状等の聞き取りがあり、郵便番号を言うと、近所で対応してくれそうな病院を3件紹介してくれた。そして病院に電話をする際の注意事項も教えてくれた。
電話の向こうの見知らぬお姉さんに感謝である。
私はすぐさまパソコンを開き、それぞれの病院の専門とネットでの評判をざっくり調べて、今後ずっと通うことになっても信頼がおけそうな順に順番をつけた。
次は、この中から一番良いと思う病院に電話だ。
選んだ病院は、とても対応が良く、指示が的確だった。
家からも公共交通機関を使わずに歩いて行ける範囲にある。
指定された時間に行くと、全員が防護服に身を包んで待ってくれていて、ちょっと動揺したけれど、2種類の検査へ。
(病院によってどんな検査をするかは、違うらしい。医師の判断による。)
一つ目は「抗原検査」で、鼻の中に綿棒を入れて粘液を取るものだった。
これは現在感染しているかどうかを調べる簡易検査で、15~20分くらいで結果が出る。
精度はPCR検査より劣るが、早く結果を知ることができるので、その後の行動予定が立てやすくなる。
二つ目はいわゆる「PCR検査」で、試験管に唾液を一定量溜めて、検査に回す。
検査できる機関が限られているため、結果が出るのに1日以上はかかるらしい。
「抗原検査」の結果は陰性だった。
でも「PCR検査」の結果が出るまで、外出は控えるように言われ、薬局にも行かなくて良いように、待っているうちに薬局の人が薬を届けてくれた。
このようなシステムが出来上がるまでには、幾多の試行錯誤があったことだろう。
政府のコロナ対策には批判もあるかもしれないが、誰がやっても初めてのことだったのだから、日本は良くやっているのではないかと思った(あくまでも個人の感想です)。
何よりも、現場で対応してくれる人たちに接してみて、胸熱である。
その後連絡が来て「PCR検査」の結果も陰性だった。
とりあえず良かった。一緒に舞台に上がったメンバーに迷惑をかけなくて済む。
熱が完全に下がるまでにはさらに2~3日かかってしまったが、喉の痛みも取れてまた歌えるようになり、現在は平常運転に戻っている。
そして今日で9月も終わりだ。