今年も残すところ、あと数時間となりました。
段取りが悪くて、何もできていない年の瀬です(笑)
昨年の今ごろは何をしていたんだろうと思い返したところ、マントを作りまくっていたんですよね。1月の『ドン・ジョヴァンニ』、地獄落ちのシーンでの死神隊(合唱の方たちにお願いしました)の黒マント。お正月のあいだ中、ミシンで縫っていましたね~。
生地屋さんに行って、「この黒い布、21メートルください!」って買ったので、お店の人は私のことを、衣装さんだと思っただろうな~。
そして今年は、来年4月のオペラハイライトコンサートのことで、連絡しまくっています。みんな、年末ギリギリまでごめんよ~(笑)
それにしても、今年は、楽しかったこと、超絶大変だったこと、いろんなことがありました。
まだまだ経過中のことも多いのですが、きっと収まるところに収まってくれるはずだと信じています。
たくさんの方に出会い、たくさんの方に助けていただきました。
いろんな試練がある中、歌も歌ってこられたというのは幸せなことだと思います。
お蕎麦屋さんで鴨せいろ蕎麦をいただきながら、しみじみと一年を振り返りました。
それでは皆さま、良いお年をお迎えくださいまし。
2週間くらい前の話になりますが、メトロポリタンオペラのライブビューイングで『ドン・ジョヴァンニ』を観ました。
現地ニューヨークでは10月に上演された演目で、奇をてらわない舞台、感情表現がすんなりと入ってくる演出、で非常にしっくりと観ることができました。
タイトルロールのキーンリーサイドはもちろん、周りを固める3人の女性、その他の歌手もとても聴きごたえがあり、キーンリーサイドはイケメンな上になかなかのインテリだということもわかりました。
メトのライブビューイングは、幕間にインタビューがあり、歌手の別の一面を見ることができるのも、ファンにとっては楽しみのひとつなのです。なんて商売上手なの~~。
それにしても、ドン・ジョヴァンニという人物は、自分勝手で、好きなように生きていて、どんなもんかと思いますよね(笑)
普通の人は、誰かに気を遣ったり、反省しながら生きているわけですが、それが無い。常にポジティブシンキング。実際に恋人だったら困る男なわけです。ですが、舞台でこれを素敵なバリトンが演じたりしていると、悪役なのに心惹かれてしまう。
私も、今年の1月に『ドン・ジョヴァンニ』を企画し公演してからは、このオペラが大好きになりました。
それまで、私にとってのモーツァルトは、幼少時のトラウマから(・・・この話はまた機会があったら)どちらかというと苦手だったのですが・・・。
今は「ドンナ・アンナ」という役にも思い入れができ、もしも今度やる機会があったならこうしたい、と思ったりもしています。
どのオペラについても、「自分が好きで何回も観ている」というのと、「実際に演唱してみた」ということの間には、ものすご~~い開きがあります。そのぶん、苦労の甲斐あって少しでもできるようになると、本当に嬉しいし、感動します。
ドンナ・アンナのアコンパニャート(オケが合いの手で入るレチタティーボ)を最初DVDで見たときは、こんなことが自分にできる日が来るとは思っていませんでしたので。
あまり寒くない夜、渋谷の公園通りから代々木公園に向かって続く「青の洞窟」に行ってきました。
このイルミネーションは、2014年に目黒川沿いで行われた、中目黒「青の洞窟」の復活版だそうです。青いライトが川に映るのもさぞ美しかったことでしょう。当時行かなかったことが悔やまれます。
今回の代々木公園には川が無いので、地面にはミラーシートのようなものが貼られていました。あんなに人が歩いて、よく傷まないものだなと感心。今の建材の技術はすごいです。青いライトは夜景の中で地面にも映っており、なかなかうまく考えられているなと思いました。
周りが暗いせいもあって、青いライトは夜空にも映えて綺麗でした。一面の落ち葉にも青い光が薄ぼんやりと反射して、輪郭があいまいになっており、それも幻想的で、しばらく見とれていました。
人工的な夜景(LED)と自然の風景を融合させたようなイルミネーションも増えていますね。
12月は、マエストロ・ゼッダに圧倒されて(!!)、スタートしました。
まず12月1日。オーチャードホールでのゼッダ先生のスペシャル・コンサート。
先生は88歳なので、米寿の記念コンサートだそうです(イタリア人なのに『米寿』は通じるのか?)。
第1部がロッシーニのカンタータ「テーティとペレーオの結婚」、第2部が同じくロッシーニの「スターバト・マーテル」でした。
私は、ロッシーニについては数曲しかレパートリーがなく(すみません)、「アジリタを駆使する、技巧的な作品の作曲家」っていうくらいしか知らなかったのですが・・・。
もう、全く認識が変わりました!
音楽が生きている。
すごいものを聴かせていただきました。ロッシーニでこんなに幸せになれるとは。合唱もオケもソリストも素晴らしかった。
2つの大曲を指揮した後、ゼッダ先生は、藤原歌劇団の用意した黄金色の頭巾とちゃんちゃんこを着せられ、なぜかそれが水戸黄門様のように似合っていました。
最後に、会場全体でハッピーバースディをイタリア語で歌って、終演。
私は興奮して、その日なかなか寝付けませんでした。
そして、12月2日。昭和音大のユリホールで、ゼッダ先生の公開レッスンです。ロッシーニのオペラアリアを6人の歌い手たちが歌い、アドバイスを受けるのです。
前日に、オケを2時間半(リハも含めると、もっと長時間)は指揮したゼッダ先生、特に疲れた様子も見せず、この日も3時間くらい壇上で熱くレッスンしていらっしゃいました。
すごすぎる。
「ロッシーニの神様」の言葉は、オペラ全体に通じる言葉。
この日もまたまた興奮したまま、新百合ヶ丘を後にしました。
一週間ほど前になりますが、四国からの帰り道、京都で途中下車しました。
この時期の京都は、紅葉はもちろんのこと、美術館や寺院の特別公開など、見どころが満載!
・・・なのですが、なんせ数時間しか滞在できないスケジュールだったということもありまして・・・以前からの憧れの地、貴船神社に行ってみることにしました。
・・・もしかして駅から遠かった?(汗)
まず、京都駅に直結している伊勢丹の上で「ゆばうどん」を食べて腹ごしらえ。
京都感が高まってきました。
ガイドブックの類は持っていなかったので、観光案内所の人に行き方を聞きました。
「この時間からだとゆっくりできないですよ?」というアドバイスを振り切り、電車を乗り継ぐこと1時間強。
貴船口に着きました!
バスは少し待つだろうと言われていたのですが、タイミング良くすぐに来てくれました。
貴船で降りた瞬間、ひんやりと肌に感じる、この晩秋の澄んだ空気!
山の中まで来たんだなぁとしみじみと感動。
登りの道を踏みしめながら、本宮へ。比較的新しい感じのする神社です。
ここでは水占いをしました。何も書かれていないおみくじが平積みになっているので、その中から一枚ひいて、境内にある神様の池に浮かべると、文字が浮かび上がってくるのです。水の神様のお言葉が胸にしみました。
赤い鳥居や、足元を照らす灯篭は、とても情緒があります。さらに20分ほど歩いて奥宮へ。
入り口にはかがり火が燃えており、日もかげってきました。奥宮は静寂で、何かそこを離れがたいような不思議な場所でした。
最後に、結社を回りました。和泉式部が祈願して夫との復縁を果たした、という縁結びのご利益がある神社だそうです。妙齢の婦女子に交じって、謎のカップルも発見。
縁結びにはいろんな形があって良いのです!
ここには「天の磐船」と呼ばれる、船の形をした大きな自然石があり、見事なものでした。
あたりがだんだんと暗くなってきました。
もみじ灯篭というライトアップまで居たかったのですが、東京に戻る時間もあったので、この辺で貴船神社を後に。帰りの叡山電車では「もみじのトンネル」がライトアップされ(少しの間、電車の中は暗くなる)、車窓からもその気分を味わうことができました。
今ごろはもっと紅葉が進んでいることでしょう。
田舎の庭に生っている柑橘系の大きな果物。
「これって八朔だよね・・・?」と尋ねても、応えてくれる人はもう、そこには誰もおらず、
「ああ、そうだった」と独りつぶやいて、途方に暮れる私・・・。
熟しつつある果実だけが、午後の太陽を照り返して、なんだか物言いたげな様子でした。
座り込んでいると、エノコログサやススキの間から、「リー、リー」と虫の音が聞こえました。誰かを呼んでいるようなその声に、鬼籍に入った人たちのことを、静かに思う。
やることは山ほどあり、私は前を向いて歩いて行かなければならないのだけど。
急に寒くなりました。
今の時期は二十四節気では「霜降(そうこう)」、霜が降り始める時期にあたるとか。東京で生活しているとピンとこないですけれどね。こどものころは通学路に霜柱があると面白くて、ザクザク踏んだ覚えがあります。
見上げると、空の色はいつのまにか冬色に近づいている気がします。
柿を買ってきてむいて食べていると、田舎の家に柿がなっていたことを思い出し、なんだかしみじみとしました。
来週はもう11月。そろそろ浮上しないといけないんですが。
長かった秋風邪がようやく落ち着き、先日やっと「ダリ展」に行くことができました。
夜の六本木、脇目も振らずに美術館へGO!
国立新美術館は建物の外観もオシャレで、漆黒の夜に映えています。
今回の展示は、ダリのいろいろな時期の絵画が一堂に会している、ということの他に、関わっていた映像作品が見られること、舞台衣装のスケッチや宝飾品もあること、などが特徴かなと思います。絵画だけにとどまらないダリの芸術活動を俯瞰するには、良い展覧会だと思いました。
「メイ・ウエストの部屋」の再現もあり、写真撮影可だったので唇ソファを横から撮りました(正面は混んでいたもので)。こんなふうにあえて撮影可能のエリアを設けることで、SNSなどでも拡散するだろうし、全体的に「ダリのテーマパーク」的な工夫が見られます。時代を反映していますね~。
映像作品では、ダリが友人でもあるルイス・ブニュエルと制作した「アンダルシアの犬」、それからなんと、ディズニーとコラボしている異色の短編アニメーション「デスティーノ」を観ました。
「アンダルシアの犬」は予想通りのシュールな内容で、イメージ映像のコラージュのようなものです。ストーリーを理解したい人には不向きかも(笑)
「デスティーノ」は、ディズニーなのにダリのエッセンスが違和感なく溶け込んでいて、変わった作品でした。
ダリの宝飾品はとても素晴らしいもので、「トリスタンとイゾルデ」などほんの数点ではありましたが、久々に見ることができて、とても嬉しかったです。
30年近く前でしょうか、秋葉原の電気屋さんのコレクションでダリの宝飾品が展示されており、とても贅沢だった記憶があります。なぜここにダリ?みたいな。
あの、ルビーでできた唇や心臓は、今はダリの生まれ故郷に戻っているのでしょうかね・・・。
国立新美術館で同時開催していた、他の美術展もぐるぐると見て回りました。
パワーのある美術品のおかげで、少しは元気になれたかな。
風邪で出かけられなかった日曜日、自宅を少しでも快適な空間にしようと、部屋を突然片付け始めました。
しかし、モノが多すぎてまったくキレイにならない・・・。
全部いっぺんにやろうとするからいけないんだと思い、まず本を片付けることに。
本当は、CDや楽譜、DVDなんかを片付けたほうが効果的なんだと思いますが、これらは「資料」という側面もあり、簡単に手が付けられない。今やっていない演目でも将来(っていつだ?)歌うかもしれないし、そうじゃなくても老後(っていつからだ?)に観るだけでも楽しいかもしれないし・・・。
というわけで、まず古い本から片付け始めたのですが、それが良くなかった。捨てる前にせっかくだから中身をちょっとだけ確認しようと思い、amazonでやってる「なか見!検索」みたいにさわりの部分を読み始めたところ、「これってこういう本だったんだ!」と新鮮な驚きが次々とあり、続きを読んだりして。
ゴロゴロしながら読み進み、気がついたら真夜中・・・!
久しぶりに、マンガ、小説、エッセイ、ハウツー本、旅行記、それから何の意味があるんだか昔の旅行ガイドやパンフレットまで、いろんなジャンルのものを読み漁りました。
そういえば昔は本ばかり読んでいたなぁと、とても懐かしい気持ちになりました。
・・・というわけで、部屋はあいかわらず片付いていませんが。
(今回の断捨離(?)で、行方不明だった一冊が発掘され、また読み始めました)
そういえば、週明けくらいから体調は良くなかったのです。
このところ、試唱会や本番、そのための練習が立て込んでいましたので、もう少ししたらゆっくりしよう、と思いつつ、でもできるときにできることをやっておかないと、と焦る気持ちもあり、ついつい休養が先延ばしになってしまっていました・・・。
月曜日はお医者さまと相談し、とりあえず漢方薬で様子をみることに。ちょっとくらいの風邪ならいつもどおりこれで回復するはず。
そう思いつつ水曜日。起きると身体中がだるく、駅までの距離を倍以上に感じるほど足が重いのです。会議のために出社はしたのですが、行ってみると肝心の会議はなぜか中止に(涙)
パソコンを立ち上げて仕事をしようとしても、メールの文章が頭に入ってこない。
家に帰らせてもらい、ひたすら眠りました。眠っても、眠っても、眠い。
せっかく早く帰ることができているのに、楽譜も鍵盤もDVDも見る気がしません。あんなに気を付けていたのに風邪をひくなんて。自己管理の甘さを反省しつつ、次の日も水を飲む以外はひたすら眠っていました。
遠くで、廃品回収車のアナウンスが流れているのが聞こえます。鳥の声も。あれはなんていう鳥かしら。こんなにいろんな音が聞こえているんだなあ。そして今はいったい何時なのだろう、とぼんやりした頭で考える。
空想なのか夢で見た内容なのかわからないけれど、得体の知れないいろんな話が頭の中を錯綜し、起きると汗をびっしょりかいていました。
ようやく快方に向かいつつありますが、やはり今日も使い物にはならず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
くよくよしながら近所を歩いていたら、秋の花があちこちに見かけられ、カメラに収めたりして、ずいぶん慰められました。駅前のお花屋さんで、自分用に小さな花束を買って帰りました。
こないだの19日の祝日、すみだトリフォニーで服部和彦先生の個展がありました。
このような大きなホールで行われる服部先生の個展は、今回で5回目だそうです。
当日朝は、アートっぽい廊下を通って楽屋に入りました。後から調べたら、この廊下はテキスタイルデザイナーの粟辻博さんという方の作品だそうです。どうりでおしゃれだと思った・・・。おしゃれなだけでなく、私のように迷って楽屋にたどり着けない人のための目印にもなると思いました(嬉)
会場に着くとまず自由練習があり、そのあとは指揮の福田先生も加わってのステージリハーサルとなります。
ステージにあがる直前、舞台袖ロビーで上を見上げたら、謎の滝の絵がびっしりと飾られていました。しかもほとんどが赤い滝の絵・・・。
これはかなりのインパクトです。別面の壁にも同じような滝の絵が飾られていました。調べたところ、これらは横尾忠則氏の壁画で、全部で70枚あるそうです。
この絵に浄化されて、私たちは舞台に出ていきました。
この時点ではリハーサルなので、お客様はまだ入っていません。しかし、大ホールは広く、神々しいような空間で、圧倒されてしまいました。思ったように歌えなかったところは、調整です。
楽屋に戻って、皆で録音を聴き直したり、他の演奏者のリハを聴いたり、食事をしたり。
その後、本番を迎えて、また滝の絵に浄化されて舞台に出ていくと、ホールはほとんど満席になっていました。お客様の温かいエネルギーを感じながら、今度は落ち着いて演奏することができ、感動しました。
いったん演奏が始まってしまうと音楽はどんどん進み、終わるまであっという間で、終わってしまうのが名残惜しいような気もしました。
無事に終わって良かった~。
今回歌わせていただいた「イリスの風」の「イリス」とは、ギリシャ神話の虹の女神のことだそうで、虹が天と地を結ぶ架け橋であるように、イリスも神と人を結ぶ存在だそうです。
服部先生の「イリスの風」も、とても神秘的。無伴奏の現代歌曲の重唱はなかなか難しいのですが、素晴らしいメンバーにめぐりあえて、結構「やりきった感」がありました。
数日経った今ごろになっても、時々この曲が頭に浮かんできて困っています(笑)
本番が終わったら別の曲を入れないといけないのですが~~。
9月4日未明の伊勢地方はすごい嵐でした。
ホテルの前夜の食事を食べ過ぎたためか、明け方お腹が苦しくて目が覚めた私は、窓の外を見て「ああ、せっかく来たけど伊勢参りは雨か~」と腹をくくったものです。
しかし、朝になるとウソのように晴れており、太陽の日差しがキラキラと水面に反射していました。
たぶんメンバーの中に強力な晴れ女がいたのでしょう。誰だかは知らないですが有難いことです。
一日のうちに伊勢神宮の外宮→内宮→おはらい町→別宮→その後東京まで帰る、というスケジュールをこなさなくてはならない私たちは、三重交通さんのバスツアーに参加することにしてありました。
ガイドさんはベテランで、案内のツボを心得ており、今回は頼んで正解でした。
参宮したのはまず外宮から。ここは天照大御神さまのお食事を司る豊受大御神さまをお祀りしてあるところです。説明を受け、第一の鳥居をくぐった瞬間、それまでとは全く空気が違うので驚きました。
どう表現したら良いのかわからないのですが、なにか大きな力を感じるというか、なぜか涙が出そうになりました・・・。
小さい玉砂利を踏みしめながら、正宮の前へ。森の木は大きく育っていて、凛とした神聖な空気に満ちあふれています。
少しバスに乗って次は内宮へ。晴れていたので、五十鈴川で手を浄めてお参りしました。内宮には天照大御神さまが祀られています。伊勢神宮の空気に慣れてきたせいか、エネルギーが違うせいなのかはわからないのですが、内宮のほうがなんとなく親しみやすい雰囲気がしました。
蒸し暑い日でしたが、玉砂利を踏みしめながら静かに歩いていると、気分がどんどん晴れやかになるのがわかりました。
昼食後はおはらい町(おかげ横丁もおはらい町の真ん中くらいにある)を散策しました。映画のセットみたいな町に、お土産物屋さんや飲食店が立ち並んでいます。コンビニや郵便局、銀行も街並みに合わせて伊勢仕様。バスの時間の関係であまりゆっくりもできなかったのですが、この次来ることがあったら、のんびりお店を回ってみたい~。
その後は、猿田彦神社、月讀宮と、どちらも行ってみたかった別宮に行くことができました。猿田彦神社は「みちひらき」の神様として知られているそうなので、新しいことを始めたい人は是非、とのこと。同じ敷地内にある佐瑠女(さるめ)神社が芸能と縁結びの神様だということで、これは音楽をやっている者としては是非お参りしておかないと・・・!!
こじんまりした境内でしたが、参拝客も多く、とても生き生きとした神社でした。
最後に、天照大御神さまの弟君である月讀尊がお祀りされている月讀宮に。ここは4つの社殿が並んでいて、おごそかな雰囲気でした。ほかの神社より玉砂利が大きい。だいぶ歩き回った後ということもあって、玉砂利に足をとられてよろよろしながら柏手を打ちました(汗)
バスツアーはこれで終わりでしたが、私たちは外宮前にある赤福まで足を延ばし「赤福氷」を食べました。抹茶蜜のかかったかき氷の下に赤福が分解されて埋まって・・・と思っていたら、このお餅と餡は氷になじむように特注品だそうです。
汗だくの身体に、染み渡るような美味しさ!!
頭の中でいろいろと想像してはいましたが、やはり来てみないとわからない。聖地だと言われるのもわかったような気がします。日本に住まわせていただいているということも含め(ちょっと大袈裟?)、大きな力に感謝する神社だと感じました。
このような信仰が何千年も続けられているというのはすごいことです。
伊勢にはまた是非来たいと思いました。
先週末9月3日~4日は、大学時代の友人たちと待ち合わせて、鳥羽~伊勢に行ってきました。
何ヶ月も前から計画して、やっとこの日が!
1日目は新幹線で名古屋へ、近鉄で名古屋から鳥羽へ。近鉄は赤いシートがかわいい車両です。
明るいうちに遊覧船に乗って鳥羽湾を巡りました。私たちの乗った龍宮城のような船は、外装も内装も派手で一瞬動揺しましたが、このくらい派手なほうが楽しいのかも(??)
イルカ島でいったん降りて乗り換えたら、船の種類が変わっていました。その船も大きな花の絵が書いてあり、デッキには等身大の人魚の人形がいるという、なかなか派手な船でした。
潮風に吹かれながらオープンデッキで過ごす時間は心地よく、開放感があり、とても爽やかでした。
そのあとはミキモト真珠島へ。
真珠のできるまでの説明は想定内でしたが、展示されていた帯留の「矢車」の独創性と緻密さには感動しました!「矢車」は1937年のパリ万博に出展されたジュエリーで、ねじ1本で帯留になったりブローチになったり指輪になったりと12通りにもなるということです。
そのほかにも斬新な展示がいくつもあり、何十年も前にこれらを設計したミキモトと、それを作った職人さんたちの技には、敬意を表さずにはいられませんでした。
宿泊は海辺のホテルにしました。ホテルから見える広々とした空のかなたには、うっすらと虹が出ており、ひとときの幸せな気分を友人たちと分かち合いました。
こういうちょっとしたことでも嬉しい。
夕闇の薄群青色が下りてくるまでのしばらくのあいだ、海の向こうに残る夕焼けのグラデーションを楽しむことができました。
今日は町田イタリア歌劇団さんの7周年記念コンサートに出演させていただきました。
こういうお祝いのコンサートは良いですね~。
今年3月に初めてお世話になった団体で、私にとっては約半年ぶりの出演です。盛りだくさんな内容で、華やかなコンサートでした。実力派の方々とご一緒させていただけることは、とても光栄なことですし、どんな曲をどんなふうに歌っているのか、裏で聴いているだけでも勉強になります。
台風が近づいているためか、途中で外出したときは激しい雨で、お客様の足元も自分の帰りの電車もかなり心配しましたが、終演後には会場近くの居酒屋で、きっちり打ち上げて帰ることができました(笑)
歌った後の枝豆と串焼きは美味しかったです!
帰り道は少し肌寒いくらいでした。
もう秋なのだなぁと季節の移り変わりを感じながら、雨で濡れた舗道を歩きました。
昨晩は、きたる9月19日に「服部和彦作曲個展」で演奏する、「イリスの風」の初練習がありました。
今回は無伴奏六重唱(女声4人、男声2人)です。
無伴奏・・・で、六重唱・・・!
初練習はドキドキするものですが、最初は手探りだった音楽が2時間くらいの間にだんだんまとまっていく様子は、感動的ですらあります。
服部先生の作品は、不思議な和音が独特の世界観を構成しています。歌っていると、なんだか宇宙に浮かんでいるような気持ちになり、とても幻想的。
うちに戻ってきて、録音を聴き直しながら、音をチェックしました。自分の課題、というか弱点を克服しないと。無伴奏で歌うのは、不協和音があったりすると難しいのですが、それも現代音楽の面白さのひとつです。人間の声ならではの表現で、作品の魅力を伝えていければ良いな、といつも思っています。
昨晩は「第22回日本現代音楽展」でした。私は浅井先生作曲の「杜の声」を歌った8人のうちのひとりです。
「合唱」とはなっていますが、各パート2人ずつの4重唱ですから、結構緊張(汗)
しかも、ヴォカリーズは発声がちゃんとしてないと意外とあらが目立つので、要注意なんですよ~。
今回は、オーボエやクラリネットといった器楽の人たちも同じ楽屋でした。本番直前になると、ピカピカの管楽器を抱え、きりりとした表情で楽屋から出ていく彼女たち。
ストイックで、とても素敵でした。
私たち声楽は最後だったので、楽屋に残され、そこは女性ばかりなので、写真を撮ったり、おしゃべりしたり。浅井先生の希望もあり、ドレスは相談して、みんなで白にしたのですが(杜の妖精?)、白いドレスは舞台にもよく映えたのではないかと思います。
本番を経てようやくお互いに仲良くもなり、曲も仕上がったという気がします。
もっとやるともっと良くなりそう。
練習時間は短かったですが、一緒に舞台に乗ることのできた共演者の方たちに感謝!
先週は徳島に帰ってきました。
毎年8月12日~15日は阿波おどりの期間で、いつもはホントに静かな徳島の街が、全国のみならず世界中からやってきた人々でたいそう賑わうのです!
今年は残念ながら、阿波おどりのスタート直前に東京に戻ってきてしまった私ですが、一年で一番熱い、しかも気温も絶好調に高い(笑)徳島の街を歩き回って、雰囲気だけは充分堪能することができました。
大きな演舞場の近くには、赤と黄色の提灯が吊るされ、目にも鮮やかです。
ここを踊りの人たちが通っていく様子を想像しながら、バタバタと用事を済ませました。
今日は15日なので踊りの最終日でしょう。阿波おどりは華やかだけど、鳴り物(笛や鉦(かね)、三味線などの楽器類)の音色はどこか哀愁を帯びていて寂しく、私はあの音を聞くとなんだか泣きそうになるのです。
滞在中には久々に地元産の鮎の塩焼きを食べました。これは美味しい。かつて一緒に食卓を囲んだ、今は亡き人たちをしのびながらいただきました。
今日は原宿のジャルダン・ド・ルセーヌで「水曜日オペラコンサート」というのがあり、大学時代の先輩と聞きに行ってまいりました。
竹下通りから一本入っただけなのに、その喧騒を忘れさせるような、落ち着いた雰囲気の洋館。中に飾られている調度品にも重厚感があり、こういう音楽会を聞くのにぴったりの場所でした。
東京といえども、生の声楽やオペラを聞きながらゆっくり食事ができるレストランは限られているので、貴重だなと思います。それは歌うほうにとっても、聴くほうにとっても。
私が都内に豪邸を持ってたら、改造して作るんだけどな~(ただの妄想)
コンサートは30分×2回のソロ・コンサートで、今日歌われたのは藤原歌劇団で活躍中のバリトン、大石さんでした。こういう経験豊富な方のコンサートというのは単純に「楽しい」というだけでなく、歌をやっている者にとっては「勉強になる」のです。
・・・どういうプログラム構成にしているのか、間のトークはどんなことをしゃべっているのか、お客様を盛り上げるためにはどうしているか・・・等々。もちろん、歌は個性の仕事なので、真似してできるものじゃないところもあるのですが・・・。すごいなぁとリスペクトしつつ、仮に自分だったら、こういう時どうするかを考えてみたりして。
まずその前に、いろんなコンサートに対応できるようにさらにレパートリー増やさないとな~、と思いながら、帰途についた夜でした。
これは何でしょう。
大きめのステンレスのボール、それとも金だらい?
中がだいぶ凹んでますが・・・(笑)
24日日曜日、西荻窪の閑静な住宅街で、宮本先生ご夫妻主催の熊本地震チャリティコンサートがありました。
宮本あんり先生には3日のリサイタルでお世話になったし、西田準さんも出演されるとのことだったので、聴きに行ってきましたよ~。
みなさん大熱演でした。特に西田さんは、『椿姫』のジェルモンのアリアと小林秀雄作曲の「落葉松」を歌われて、拍手喝采でした。(ちなみに宮本あんり先生は小林秀雄さんの娘さんだそうです!!音楽一家なんですね!)
最後に、あんり先生のピアノとご主人のシンセサイザーに、お嬢さんのまいこさんの、このスティールパンって楽器が加わって大合奏となりました。
スティールパンは金属の凹みによって音階ができているのですが、順番に並んでいないので、覚えるまでがたいへんそう(笑)
もともとはカリブ海のトリニダード・トバコで、ドラム缶を叩いていたことが元になったと言われています。どんな環境でも、なんでも楽器にしようと思えばできちゃう、遠い国の見知らぬ人たちに思いをはせながら、不思議な音色を聞きました。
仕事で時々立ち寄る駅に、昔ながらの仏具屋さんがあります。今ではこういう仏具屋さんも少なくなったなと思いながら、いつも横目で見て通り過ぎていたのですが、先日思い切って中に入ってみました。
ガラスケースに並べられた、たくさんのお線香。そしてその横に可愛い和ろうそくや花ろうそくが置いてあり、ちょっと値段はしたのですが、花ろうそくを思わず購入してしまいました。
以前お友達からいただいたことがあり、素敵だなぁとその時は思ったのですが、探してみることもせずそれきりになってしまっていたので・・・。
それがこんなところで出会えるなんて。
お店のご主人の話によると、この花ろうそくは蜜蝋が入っていて、蜜蝋はとても歴史のあるものなんだそうです。
自宅に帰って灯してみると、心なしかお仏壇が華やいだような気がします。
昨晩は音楽仲間と女子会でした!
この女子会は4年ほど前のオペラ
会社の仕事でも似たようなところはありますが、特に一緒に舞台に乗る人たちは、同じ船に乗っている仲間のようなものです。
キャスティングされた時から始まって本番が終わるまで、「公演を成功させる」
音楽からスタートした関係ですが、音楽の話をすることもあれば、
昨晩は、池袋で焼き肉でした。お肉は美味しいし、
ふだんの生活でちょっと面倒なことに巻き込まれて凹んでいた
友達がいて、食べ物が美味しいということは、幸せだ。
昨日は高校の同窓会でした。
毎年1,000人以上集まる盛大な会なのですが、昨日も盛り上がりました。地方の高校の同窓会を東京で開催するのに、こんなにも人が集まるのはすごいことだと思います。なんだかギネスブックにも挑戦しているらしい(驚)
会場には、旧校舎や教室のジオラマが高松から運ばれてきて展示されており、それがよくできていて釘付けになりました。
高校時代は顔くらいしか知らなかったのに、今話してみると予想以上に面白い人がたくさんいて、何故そのことに高校時代に気づかなかったのだろうかと、自分が悔しいです(笑)
もちろん人生経験によってそうなった部分もあるのでしょうが・・・。
ネットとかSNSとか、人がつながる方法は昔に比べるといろいろあって便利なんですけれど、やはりリアルに顔を突き合わせて話すことの重要性を改めて感じました。
・・・いや、そこまで大袈裟なことでもないかな。
良く晴れた7月3日日曜日、バリトンの西田準さんと私のジョイントリサイタルが無事に終了しました!!
1部は富原のフランス歌曲からスタートし、別宮貞雄作曲の「淡彩抄」、西田さんの「冬の旅」(全24曲のうち8曲)と続きます。
休憩をはさんで2部は、ヴェルディ作曲のオペラ『椿姫』『運命の力』『ドン・カルロ』『シモン・ボッカネグラ』から重唱とアリアを2人で。
アンコールは富原の『蝶々夫人』の「ある晴れた日に」、西田さんの『椿姫』の「プロヴァンスの海と陸」でした。
今回は西田さんの傘寿記念リサイタル(実際にはまだ79歳)という側面もあったので、西田さんの重厚で哲学的なイメージをコンセプトに、2人でプログラミングしてみました。
いや~、無事に終わって本当に良かった、良かった。
おかげさまで椅子席はほぼ満席になりましたし。考えてみると、このリサイタルをおこなうのにどれだけたくさんの人の手を借りていることでしょう。舞台裏はもちろんのこと、ナレーションだって受付だって「才能が集結してる」って感じでした。
リサイタル開始直後、西田さんのお話を舞台袖で聞きながら、私を含めた関係者は皆一様に感動。そして舞台に出ていって、お客様の温かい拍手やブラボーにまた感動。
感動を一番いただいたのは、実は演奏している私たちだったのかもしれません。
今回取り上げた「淡彩抄」ですが、昨夏にティアラこうとうで譜面を立てて演奏したのが最初。今回は暗譜で臨み、日本の抒情をより深く表現しようと努力しました。私が練習中に弱音を吐いていたら、周りから「80歳の人が新曲を暗譜しているのに」と怒られ・・・。
ここでは歳を言い訳にできないのです!(笑)
演奏に関してはまだまだ勉強中ですが、元気でリサイタルを終えられたことに感謝。また次に進みたいと思います。
ご来場のお客様、スタッフの皆さま、励ましてくださった方、皆さまありがとうございました!
今回歌う曲の中に『シモン・ボッカネグラ』の中の二重唱があります。
作曲者のヴェルディは、バリトン&ソプラノの組み合わせで父娘の美しい重唱をいくつも書いていて、この曲もそのうちのひとつなのですが、意外と知られていないみたいです。
そして今回の場面は、すごくざっくり言うと
「生き別れになっていた父娘の再会」
です。娘のアメーリアの身の上話と大事に持っていた肖像画から、二人が親子であることが判明する。
・・・オペラですよね~!(笑)
「貧しいけれど信心深い老婆が、孤児だった私を育ててくれました・・・」とせつせつとアメーリアの語る旋律はとても美しく、心に響きます。私の大好きな二重唱です。
DVDやYou Tubeで研究した結果、肖像画をペンダントにすることにし、浅草橋でパーツを買ってきて作成しました。
浅草橋とかっぱ橋・・・とamazon、は小道具づくりの味方!
週末は四国に帰ってきました。久々に岡山側から入ったので、瀬戸大橋線に乗るのも久々です。この日は雨が降っていて、雨は海にどんどん吸い込まれて、溶け込んでいきました。
ぼんやりと瀬戸内海を見ていると、静かでほっとします。瀬戸大橋がかかる前、宇高連絡船で本州と行き来していた頃のことを思い出すと、なんだかしみじみとしました。
今回の四国行きは強行スケジュールだったので、さすがに疲れました。この次は、夕日の時間帯に訪れたいものです。瀬戸内海の夕焼けの美しさは格別です。
こないだの土曜日、6月11日は藤原歌劇団・日本オペラ協会の「デビューコンサート」でした。
当日は、朝10時ひっそりと静まりかえったイイノホールに到着。4年半前と同じように迷いながら楽屋へ・・・。
午前中は衣装つきのリハーサルがありまして、そこで最終チェックをしつつ、監督からのアドバイスをいただきます。どの公演も全力で臨むのはいつも同じ気持ちなのですが、今回はなかなかのプレッシャー(汗)
やはり藤原歌劇団の公演は私にとって特別なのかも。
信頼している歌手の方から前日に「頑張ってください!もなんですし、リラックスして!もあり得ないし、楽しんで!なんて、とても言えないので(笑)、富原さんの今を見せてくださいね~」というメールをいただきまして。こんなふうに心配かけている自分がなんだか可笑しくなってしまい、楽屋でひとりで笑ったら、かなり気持ちがラクになりました。
監督から直前に「もっと広いホールをイメージして。そうするともっとスケールの大きな歌が歌えるようになる」という内容のことを言われたのも心の支えになりました。
歌は、最後は精神力!(笑)
オペラ全幕ではないけれど、私が歌っている間だけは『トロヴァトーレ』の舞台であり、お客様にはレオノーラの気持ちを伝えよう。そう思って舞台に出ていくと、客席から立ちのぼるエネルギーは思った以上に温かく、私を迎え入れてくれて、感激しながら演奏することができました。
育成部(藤原の研修所)を出たばかりの若い人たちや、同じようにオーディションに合格した個性的な面々とも知り合いになれました。
そして何よりもコンサートにかけつけてくれた友人たちに感謝。
イイノホールを後にして、有楽町に飲みに行きました。
仕事先でびわをいただきました。結構大きくて5~6センチくらいはありまして、とてもみずみずしい。
こういうものをいただくと、夏にぐっと近づいた感じがします!!
昔(?)の西日本の田舎町では、びわや無花果などはごく普通に隣近所に生っていまして、そのせいかわざわざ買って食べたりした記憶があまり無いのですよね・・・
・・・なので、日本の夏を象徴するこういう果物には、やたらと郷愁を感じてしまうみたいです。
今日からもう6月。早いですなあ。
世田谷の閑静な一軒家で行われた、ピアノと歌曲のコンサート。
演奏に使われたのは1893年製のスタインウェイ(ニューヨーク)Model.Aだということです。
私は楽器には全然詳しくないのですが、譜面台の透かし彫りも素敵だったし、ピアノの中も綺麗に整備されていて、それ自体が芸術品というか、見ているだけでうっとりするようなしつらえの楽器でした。
サロン風なホールに置かれており、壁に飾ってある絵もその静かな雰囲気にマッチしていました。
演奏はメゾソプラノの諸田さんとご主人のピアニストの松原さん。温かだけど迫力のある声、ヴィンテージピアノのまるで古いレコード盤を聴いているかのような懐かしい響きに、とても癒された週末の夜でした。
先日は初台の新国立劇場の情報センターに行ってきました。
ここでは、新国立劇場でおこなわれたオペラやバレエの過去の公演映像を見たり、舞台芸術に関する様々な資料を閲覧したりすることができるのです。
上野の東京文化会館にも音楽資料室というのがありまして、そちらには何度も足を運んだことがあるのですが、新国立のほうに訪れたのはこの日が初めてでした。存在は知っていたのですが・・・。
現在は、映像を見るためのブースが4台とタブレットが10台くらいあるそうです。
私はタブレットを借りて、柔らかな午後の日差しが入る閲覧室で延々と『蝶々夫人』を見続け、気がつくと夕方になっていました。
でも、もっといろんな映像が観たい!全然時間が足りない。もっと早く来れば良かった!
コンサートプログラムの作成時など、資料をネットで調べるのも手軽なのですが、書籍で出版されているものもその良さがあります。信頼性や一覧性が高いので。音楽をやっていくには意外と調べ物が多いんですよね。
今度はゆっくり調べに来ようかと。
6月11日は藤原歌劇団・日本オペラ協会の「デビューコンサート」です。
「デビュー」なんて照れますな~(笑)
このコンサート、前回までは「フレッシュコンサート」っていう名称だったんですけどね。
それはともかく。来週、伴奏していただくピアノの先生と初合わせをします。今からドキドキです。
候補曲として4曲提出しましたが、主催によってそのうちの1曲が選ばれまして、それを歌います。私が歌うのは『イル・トロヴァトーレ』の「恋はバラ色の翼に乗って」。幽閉された恋人マンリーコ(トロヴァトーレ)を想ってレオノーラが苦しい胸の内を歌うアリアです。・・・というような曲の説明と歌詞の大意も書いて、事務局に先週送りました。準備は着々と進んでいます。
あとはちゃんと歌うのみ!
4年半ぶりのイイノホール。あのとき「またここで歌えますように」とお祈りしたのを思い出しました。
連休中の話になりますが、ちょうど一週間前の5月6日、上野の東京都美術館で開催されている若冲展に行ってきました。雨の金曜日の夜は、少しは空いているかと思いきや、全く甘かったです(>_<)。普通の美術展だと、金曜の夜はお客さんが少なくてゆっくり見られたりするんですがね、これは無理でした・・・。
Twitterで混雑状況がある程度わかるので、覚悟して行きました。
混んでいても、観たいものは観たい。
チケット買うのに10分、会場に入るのに50~60分です。閉館は午後8時のところ8時30分と延長されましたが、やはり時間は足りなかったです。
でも、実物をひとめでも見ることが目的だったので、行って良かったと思いました。
構図といい、色使いといい、それはそれは素晴らしいもので、どこから光が当たっているのだろうかと思うような鳥の羽の輝き、魚の動きもまるで生きているようでした。
特に釈迦三尊像と動植綵絵が飾られているフロアーは圧巻です。釈迦三尊像を中心に、ぐるりと取り囲むように動植綵絵が飾られているのですが、その前に立った瞬間、もう、胸がいっぱいになりました。若冲は何百年も前に、こうやって展示されることを予測して制作したんじゃないかとさえ思いました。
どの絵も近くでゆっくり見たかったですが、ぜいたくですね・・・。
展示が途中で変わるそうだし、もう一度行きたいと思いましたが、期間が1ヶ月と短すぎです・・・。
しかも今日Twitterを見たら、180分とかの待ち時間ではありませんか!
先日の思い出を胸に、もう一度行くのは諦めますが、苦労して並んだかいのあった美術展でした。
今年も日本語唱法研究会が始まりました。私は2年目ですが、まだまだ新参者でして(笑)
でも昨年より少し知り合いも増え、教室に入って座るとなんだか懐かしい場所に戻ってきたような気がしました。
講師の大賀先生はふだんのしゃべり声からして、ちゃんと高い位置で響いていて無理のない発声です。だから声が若い。80代とはとても思えない(驚)
こうやって音楽の講義を受けられるのは本当に幸せなことだ、と思います。
もっと若いころに存分に音楽の勉強ができたら良かったのに・・・、と思うことも時々ありますが、仮にできたとしても今ほど価値を見出せなかったかもしれません。
すべてのことにおいて、必要なときに必要な経験ができるのだ、と信じたい。
昨日は新幹線で東京に戻ってきましたが、山口~岡山あたりの強風の影響で、東海道山陽新幹線は軒並み遅れが出ていました。そういえば四国もかなり風が強かったです。
いつもは「のぞみ」を利用するのですが、遅れているついでに「こだま」に乗り換えてみたら、これが空いていて、超快適!・・・見たところ車両や設備も一緒だし、ちょっと遅いことを除けばあとは問題ありません。
「こだま」に乗るのは何年ぶりだろう。
各駅停車ではありますが、そこは新幹線なので、思ったよりは停まらない。三河安城とか掛川とか熱海とか、ふだんは通り過ぎている駅に停まるたびになんだか嬉しくなり、気分が盛り上がりました。
お隣に誰も居ないので、持ってきたポータブルのDVDプレーヤーにイヤホンをさして「フィガロの結婚」を観ながらお弁当を食べたりして・・・。
結構良い時間が過ごせたかなぁと思います。
試演会どうにか無事に終了しました~。
平日夜の試演会ということもあってあまり宣伝はしていなかったのですが、それでも親しい友人が何人か来てくれて、「やはりお客様に聴いていただけるのはありがたいことだなぁ」としみじみ思いました・・・。
アリアはヴェルディの『運命の力』より「神よ平和を与えたまえ」。前奏が流れるだけで気分が高揚するようなドラマティックな名曲です。私はこの曲を人前で歌うのは初めてで、別の意味でドキドキしましたが(笑)
写真は、ヴェルディの『シモン・ボッカネグラ』の重唱をバリトンの西田さんと歌っているところです。父と娘の再会シーン。お芝居をつけると歌のほうも表現がどんどん生きてくる気がします。
このあと『仮面舞踏会』の重唱もテノールの坂本さんと歌ったのですが、ソプラノの役どころである「道ならぬ恋に悩む人妻」も私としてはかなり萌えるキャラクターです。さらに研究したいと思います!
いつも思うのですが、本番にかけることで自分の中で一段階仕上がりが進みます。練習だけだとなぜかダメなんですよね。練習では得られなかった何かが本番で得られる、という感じです。
そういう意味でも貴重な試演会でした。
明日は楽しい試演会~(汗)。私はチラシとプログラムを作りました。
どんなに小さなコンサートでも、陰で予想以上にたくさんの人たちに支えられて、舞台が成り立っているんですよね。私は制作にかかわり始めてからひしひしとそれを感じるようになりました。事務作業も山のようにありますし・・・。ホールのスタッフの人たちにも感謝です。
明日の前半は『魔笛』の第2幕。こちらは私は出ないので、舞台袖(または楽屋)から楽しみたいと思っています。
ドキドキ。
お世話になっている森先生が指揮をなさるのです。森先生は歌手なのに・・・次々難題を持ちかけてホントすみません!(・・・と、ここで秘かに謝っておく)
でもきっと素晴らしく皆を導いてくださるはずです!
後半はアリアや重唱のガラコンサート。曲のバランスを考え、同じ人が続かないようにプログラムを組んだ結果、最後に私の歌が続いてしまいました(笑)
頑張ります。
私も含めて何人か初めての曲も歌うのですが、「初めて」って新鮮。大人になってからも「初めて」にドキドキできる、これは幸せなことなのかも。
それから、明日のメンバーの多くは会社に勤めていたり主婦だったりと、本業をこなしつつ歌をやっています。技術や経験、年齢はまちまちでも、みんなそれぞれの立場で音楽を愛しているのです!
開演までは私も受付に立つことになるかと思います。良いコンサートになりますように。
そして打ち上げで美味しいビールが飲めますように。
4月14日の夜に熊本でとても大きな地震がありました。東京でもその時間に「ミシッ」と嫌な音がして、「どこかで何かあったな」とは思いましたが、すぐにはわからず、しばらくテレビを見ていて驚きました。九州では余震もまだ続いており、現地の方々が毎日どんな思いで過ごされているのだろうかと思うと胸が痛みます。東日本大震災のあと、関東地方もしょっちゅう揺れていて精神的に不安定になったことを思い出しました。
この度の大地震により被災された方々やそのご家族の皆様には心よりお見舞い申し上げます。また、これ以上被害が広がらないように、被災地の1日も早い復興をお祈り申し上げます。
7月3日のジョイントリサイタルのチラシを持って、日曜日に伝承ホールに行ってきました。チェックをしていただいてOKだったので、順番が来たらホールのラックに置いてもらえることになりました。
そんなわけで本日はチラシについて。
チラシは、音楽事務所が企画したコンサートの場合は事務所側で用意してくれることが多いのですが、自主企画の場合は、印刷屋さんにデザインからお願いしたり、途中まで自分たちでやったりとさまざまです。
私の場合は、デザインから自分でやって印刷だけ外にお願いしています。このほうが安くできる、ということもありますが、自分たちのイメージ通りのものができるのと修正が簡単、というのが大きな理由です。デザイン専用のソフト(イラストレーターなど)を持っていないので・・・全部word(こう言うと驚かれる)でやっていますが・・・(汗)
今回は初夏のコンサートなので、爽やかな感じにしたかったのと、曲に「冬の旅」と「淡彩抄」が入っているので、両方のイメージを満たせる背景はどんなだろう、って考えました。「冬の旅」用に凄い枯れ木の画像も手に入れていたのですが、それはやめました(笑)
お相手のバリトンの西田さんとも相談し「水色が良いよね」ということに。でも実際に水面や水中の写真をあてはめてみると生々しくてちょっと違う・・・。試しに、石を水色にして使ってみたら、落ち着いた良い雰囲気になりました。字体もイメージに合わせて大正ロマン風に。
あれこれ考えるのは大変ですが、楽しいものです。こんなふうに、チラシにも思いを込めて制作しています。
まだ寒さの残る東銀座の夜。メトのライブビューイング『マノン・レスコー』に行ってまいりました。映画とはいえ、ニューヨークのオペラ公演が次の月に日本で見られるというのは、やはり贅沢でうれしいことです!
カウフマンが降板し急遽アラーニャがデ・グリューを歌うことになった、というのも話題性ありましたが、アラーニャが初役だったというのもびっくり。
とっくに歌っていそうなのに。
オポライスのマノン役もぴったりで、代役でミミを歌った時よりも合っていると思いました。アラーニャと2人でありえないくらいの熱唱・熱演!
3幕4幕に進むにしたがってイタリアオペラ特有のドロドロ感は高まり、プッチーニの官能の音楽をたっぷり堪能させていただきました。
昨日は新百合ヶ丘で「日本語唱法研究発表会」でした。すごくざっくり言うと、月イチくらいの頻度で1年間受講してきた日本歌曲(オペラのこともある)のまとめのコンサートですね。今回のテーマはチクルス(連作歌曲)。私は初めての参加です。
日本語歌唱については「自分の話す言葉が一番のお手本」だと教わりましたが、なかなか難しいものです。
リハーサルでは動揺してしまい、歌詞と助詞(てにをは)を自分で勝手に作詞してしまうという問題が発生。さすが母国語・・・と感心しているわけにもいかないので、落ち着いて言葉をよく読み直し、もう一度解釈し直して、本番ではどうにかクリアできました。
これからさらに日本歌曲の美しい世界を伝えられますように。
昨日は、町田のコンサートに出演してきました。私は『イル・トロヴァトーレ』っていうオペラの中から、ルーナ伯爵とレオノーラの二重唱を歌わせていただきました。
8分くらいの曲ですが、劇的で変化に富んでいるので、お客様には喜んでいただけたのではないでしょうか。
『イル・トロヴァトーレ』は大好きで、いつか全幕やってみたいと思っているのですが、なかなか自主トレが進まず(笑)・・・なので、こういう機会に部分的に本番にかけられるのはとても嬉しいことです。
いつも来てくれている友人から花束をもらいました。黒蝶ダリアとチューリップ。すごくオシャレです。
昨晩はソプラノのアンナ・ネトレプコ様のコンサートに行ってきました。
いやもう、すごかった。さすが世界の歌姫です。
ダイナミックなのに、弱音が繊細で、ホールの隅々まで染み渡るよう。一曲じゃなくてどれもオペラ全幕聞いてみたくなりました。
写真は帰りの溜池山王駅にあった、大きなポスター。
やっとできました。アドバイスくださった皆さま、ありがとうございます!
できあがる前に公開してしまいましたが......