今年も残すところあと数十分となりました。
なだれ込むように年末に突入したため、もとからあった荷物、舞台の大道具・小道具に加え、徳島からの荷物も参入して、家の中はまるで秘密基地状態(笑)
紆余曲折あり、腹の立つこともあり、大変な思いもした1年でしたが、その一方で、
音楽では『シモン・ボッカネグラ』
来年は、少しずつ練習を進めてきた『蝶々夫人』
大晦日の今日は、東京で年越し蕎麦。
紅白歌合戦を見ながら、
いきなり酒の写真ですみません。
忘年会3連発。
今年も残すところ、あとわずかです。
歌関係の飲み会が、立て続けに3回ありました!
その1 新百合ヶ丘のおでん屋さんにて。夏の神楽坂コンサートでご一緒したお姉さま方との忘年会。
その2 代々木上原にて。オペラを自主企画している「スタジオA」のメンバーとの、試演会&忘年会。
その3 新橋の魚金2号店にて。齋座長率いる「かっぱ橋歌劇団」の忘年会に、プラスαとして呼んでいただいた。初「魚金」!初「黒チャーハン」!
写真で見ると、どれがどれだか、わからない(笑)
でも、どれも美味しくて、楽しい飲み会でした。みんな、よく食べるし、よく飲むし、よくしゃべる!
ここで思ったのは、何かに行き詰っているとき、誰かに話すと、気が楽になったり、自分の考えが整理できたりする、ということ。
新しいヒントがもらえることもある。
「話すことは離すこと」と言うけれど、本当だなあと。(コンプライアンス違反はいけませんが・・・)
あと、思いっきり笑うのも、良いかもしれませんね。
話を聞いてくれた人にも、笑わせてくれた人にも、ありがとう、です。
12月7日は、サントリーホールのブルーローズ(小ホール)で、ガラ・コンサートに出演しました。
なじみ深いホールですが、出るのは初めて。
歌ってみると、ホールの隅々まで音が浸透していくような、素敵なホールでした。
音や表現が自在にコントロールでき、しみじみと感動しながら歌うことができました。
曲は、歌劇『運命の力』より「神よ平和を与えたまえ」と、歌劇『蝶々夫人』より「ある晴れた日に」の、大好きな2曲を選びました。
「神よ平和を与えたまえ」は、オペラの中では洞窟に幽閉されている設定ですが(!)、この日はコンサートなので、黒のドレスに濃紺のジョーゼットのショールにしました。
また、「ある晴れた日に」では、小さな蝶々や草花の柄のついた赤っぽい着物を羽織りました。この着物は、2年ほど前に他界した徳島の伯母が作ってくれたもので、伯母も一緒にホールに連れてきたつもり、です。
昔からの友人たちが観に来てくれていて、終演後に皆で食事をしました。
この時期のサントリーホールはクリスマス・イルミネーションが綺麗で、写真を撮りまくり(笑)
ゲームに出てくる魔法の石みたいな、虹色のクリスタルで出来たクリスマスツリー。
カラヤン広場の滝の前には、正20面体の神秘的なオブジェもありました。
良い思い出ができた、冬の夜です。
昨日は新国立劇場に『椿姫』を観に行ってきました。
2幕1場まで終わったところで30分の休憩があったのですが、私は財布を忘れていったため(!)、飲食も買い物も出来ず(悲)、ひたすら水筒のお茶を飲んでいました。
それにしても、水筒持って行ってて本当に良かった!(笑)
今回の『椿姫』の目玉は、ソプラノのイリーナ・ルングというロシアの人で、私は初めて聴く人でしたが、容姿といい、声といい、評判通りヴィオレッタにぴったりの美人でした。
まだ若い人のようでしたが、この役をすでに世界の一流歌劇場で歌っているのだそうです。
パンフレットには、新国立劇場で公演した今までの『椿姫』一覧が載っていて、ここでヴィオレッタを歌った人はその後も大活躍しているので、この人もそうなっていくんだろうな、と思いました。
1幕の技巧的なアリアを軽々とこなしていたので、コロラトゥーラかと思いきや、2幕3幕のリリックな表現もさらに素晴らしかったです。決して軽い声ではなく、声量もあったので、とても柔軟な声帯をしているんでしょうね。
アルフレードやジェルモンも、声もキャラクターもぴったりでした。
キャラクターがハマるとオペラは気持ちが良いものです。
セットは、基本的には舞台中央に置かれた1台のグランドピアノだけでした。
それが1幕でお立ち台(?)になったり、2幕で机になったり、3幕でベッドになったりしていました。まるで小劇場の演出のようだと思いましたが、それはそれですっきりしていました。
3幕ではヴィオレッタとその他の人々を隔てる蚊帳のような紗幕がありました。すぐそばにいるのにお互いに直接触れられないようになっており、これはヴィオレッタの魂がもう半分くらいはこの世のものではない、ということを象徴しているのだろうと思いました。
カーテンコールでは客席は大いに沸いており、スタンディングオベーションで、この公演が大成功だったことを物語っていました。
大劇場の外に出ると、ロビーには可愛いクリスマスツリー。
11月4日は、高松高校神田会の東慶寺コンサートでした。
ご縁のある東慶寺さんの本堂をお借りして、高校の同窓会が毎年秋に続けてきたお月見コンサート、今年がファイナルだということです。
終わってしまうと聞いたら、毎年参加すれば良かったなぁと反省(苦笑)
なんでも、始まりがあれば、終わりがあるのです・・・。
少し早めに北鎌倉に着いたので、東慶寺さんの境内を歩きました。
秋の花々が、静かに咲いておりました。
本堂でのコンサートの様子は、出演者の肖像権とかがあるかもしれないので割愛。
始まる前の写真を。
前半は、フルート、オーボエ、電子ピアノの室内楽、後半はコントラバスとヴォイスパフォーマンスでした。このヴォイスパフォーマンスは、コントラバスの藤原先輩の伝手で、究極の無ジャンルバンド、ヒカシューの巻上公一さんが演奏!
クラシックも現代音楽も堪能したところで、座敷では宴会がスタートしました。
東慶寺の井上さんのお料理は、どれも美味しい!
いくらでも食べられる、懐かしい味の絶品手料理です。
今年は100名分くらい作っていただいたのではないでしょうか。
東慶寺のコンサートには、私も2008年に出演させていただきました。
同郷の方たちの温かい雰囲気の中で、緊張しながらも楽しく演奏させていただいたことを覚えています。
過去の出演者ということで、今回私も1曲歌わせていただきました。
蝶々夫人の「ある晴れた日に」を、フルートの白川真理先輩の伴奏で。
打ち合わせ無しで、しかもGパンで(笑)
来年5月に企画しているオペラの、宣伝になれば良いのですが・・・。
コンサートが終わると、空には綺麗な月が出ていました。
先週末、徳島で所用を済ませた後、京都の東寺(教王護国寺)に立ち寄りました。
京都駅からも近く、便利な場所にあります。
10月28日に行ったのですが、この日から夜間の境内ライトアップがスタート!(←12月10日までだそうです)
夜間拝観は始まったばかりでしたし、台風が近づいたこともあってか、そんなに混雑していませんでした。おかげで、ゆっくりと見て回ることができました!
墨汁で濃淡をつけたような暗い空をバックに、光の衣をまとって浮かび上がる五重塔は幻想的。
雨の中でしばらく見とれておりました。
紅葉が始まったばかりの、まだ青さの残る木々とともに、五重塔は池の面にもその姿を鮮やかに写し出していました。
講堂や金堂も、夜間拝観できます。
内部の写真は撮れないので、パンフレットを写メしてみました。
実際に入ると想像以上でした。
まず仏像の大きさがすごい。
特に講堂は、この容積の中にこんなにたくさん配置しようとは普通では考えないだろう、という圧力です。
動いていないのに(動いたら怖いけど)躍動感を感じます。
立体曼荼羅というのだそうです。
金堂の中は静寂。
薬師如来、日光菩薩、月光菩薩の輝きはおごそかで、夜に見ると、また特別な空気感でした。
歌劇『シモン・ボッカネグラ』が終了しました。
10月23日の公演にはアメーリア役として出演して、
10月24日の公演には観客として観に行ってきました。
このところずっと、シモン漬け。
まだ、頭の中を、オペラのあちこちの旋律がぐるぐる回っています!!
ぐるぐる回っているのは、自分のところよりも、序曲であったり(個人的には序曲が一番好き)、バスとバリトンの延々と続く二重唱であったりするのですが。
8月から始まって3ヶ月近く稽古に参加してきたので、終わっちゃってさびしいです。
ヴェルディのオペラの中では、あまり上演されない、というか、全幕上演しにくい演目なのですが、このプロダクションの場合、指揮者、ピアニスト、キャスト、関わっている人全員が「シモン・ボッカネグラ愛」に満ちあふれていて(!)、楽しく幸せな日々でした。
私は初役でしたので、マニアの方々より解釈が遅れていたのですが、そのぶん得るものも大きかったと思います。
シモンとアメーリアのペンダントは、私の手持ちの小道具コレクションの中から提供させていただきました(笑)
演じてきたオペラの役は、私にとってどれも大切な役ばかりです。
それに新しい役が加わりました。
みなさまに感謝です!
明日の夜は『シモン・ボッカネグラ』の本番。
会場は横浜の吉野町というところのホール。
初めて行くホールです。
どんなところだろう。わくわく。
台風が近づいてきているので、今日はかなりな大雨なんですが(!)、
今回は、以前からやりたいと思っていた『シモン・ボッカネグラ』
主催の方は、2016年1月『ドン・ジョヴァンニ』で、私がドンナ・アンナを歌ったのをご覧になったとのことでした。
娘役のイメージなのかしら。いずれにしろ、実年齢が関係なくて良かったです。
『シモン~』はあまり上演されないオペラですが、私とは何かと縁があるみたいで、
ソプラノとテノールのデュエットはたくさんあるけれど、
とはいえ、全幕を勉強できるとは夢にも思わず。
そして、私のような怠け者は、
通し稽古でやっと全体像が見えたかなというところですが(汗)、
男声陣はどの方もみなさん惚れ惚れするような声で、素晴らしい。
当日、急に来られるようになった方も是非。(と宣伝してみる)
先日、古い家を片付けたのですが、「勢いで物を捨て過ぎた・・・もっと残しておいたら良かった~」などと私が愚痴っていると、友人や後輩が喝を入れてくれました(笑)
「今いらない物は、捨てても良い物!!」
それでも往生際の悪い私は、捨ててちょっと後悔した物をここに書いてみたりして・・・。
1.祖母の三味線
祖母が三味線を弾いていたことは母から聞いていたのですが、まさか残っているとは思わなかった。どんな曲を弾いていたのだろう。あの世の祖母は、私が三味線を売り飛ばすに違いないと思ったのか。リサイクルされて他の人に弾かれるのがイヤだったのだろうか。
2.昔読んでいた「世界の名作図書館」(講談社)
子どものころの私は、とにかく本が好きで、たくさんのお話が入っているこの文学全集は宝物でした。何回読んだことか。そして読まなくなってからも、伯母が大事に取っておいてくれた模様。場所取っててすみませんでした・・・。
ちなみに、全集物は、余程のレアものでもない限り、古本屋では引き取ってくれません(泣)
3.父の手紙
新築の時に父が屋上から餅を投げらしく、父が撮った写真に添えられていた手紙。伯母夫婦に宛てたもので、誠実な文章が綴られており、父の人柄が偲ばれました。おそらく父の最後の手紙。
・・・などなど。
書き出していると、他にも思い出して悔しくなるかもしれないので、やめます(笑)
でも、おおかたの物については、「処分してさっぱりした!」という気持ちのほうが強いです~。
先週土曜日に集まった仲間は、疑似家族のようでした。
「旅館に来たみたいだね」などと言いながら、「かにすき」をつつきました。
カニの形をした鍋。
ニンジンもカニの形に切り抜いてあって、可愛らしかった。
昨晩は『シモン・ボッカネグラ』の練習日。
ざっくりと荒立ち稽古をしました。
『シモン・ボッカネグラ』はヴェルディ中期のオペラで、実在の人物を題材としていますが、他のオペラに比べると筋書きが多少込み入っており(注、ワーグナーを除く)、また、男声の重厚な低声を多く必要とするためか、日本ではあまり上演されないオペラです。
私も以前は「地味だな~」と思っておりましたが、やってみると「いぶし銀」のような魅力があり、じわじわと来る良さがあることがわかりました!
今回、私の役は、主人公シモンの娘、アメーリア。ヴェルディのオペラによく出てくる、誇り高く、気の強いソプラノのヒロインのひとりです。
少しずつ勉強を進めてきた役でした。
しかし、昨晩は、暗譜できていると思っていたところも、譜面を外して動いてみると、ちゃんと覚えられていなかった・・・。
・・・もう、大反省。
ですが、稽古場でキャストどうしの化学反応(?)みたいなものが起こり、オペラが立体的に構築されていく様は、音楽が二次元から三次元に変身を遂げるようで、見ていてわくわくしました!
舞台は、やっぱり面白い。
私の課題は、もう一度譜面を見直して、DVDも見て、練り直し。覚え直し。
台風で大荒れだった神戸を経て、昨日まで徳島で家の片づけをしていました。
春から少しずつ進めていたのですが、私の力だけではなかなか進まず・・・。
最終的には業者さんにお願いして、一緒に、一気にやりました。
屈強な男性たちが、何日もかかって、やっと終了。
私も毎日埃だらけになりながら、頑張りましたよ~。
家もがらんとしていますが、私の心にもぽっかり穴が開いたようでした。
段ボール数箱にこじんまり納まってしまった荷物を見ていると、それは、四角い箱に入った骨壺のようにも見えました・・・。
すごい達成感とすごい虚脱感。
しばらく呆然と座り込んでいましたが、また立ち上がり、歩き始めないといけない。
生きている者は、生きていかなければならないのです。
夕食をとりに入ったレストランは、地方には珍しく、ピアノの生演奏が流れている店。静かなピアノの音が心に染み入りました。
この期間、暑くもなく、寒くもなく、雨もほとんど降らず、無事に進められて、そしてスケジュール通り終わったことに、心から感謝しています。
蚊だけが凄かったので、棄てようと思っていたガラスの灰皿の上で、残っていた蚊取り線香をガンガン焚いてしのぎました。
「こんな使い方もあるのか、オシャレだし、この灰皿は持って帰ろうかしら」と思っていたのですが、なぜだかその灰皿は割れてしまいました・・・。
「断捨離モード」になっていたため、全体的に処分し過ぎてしまったきらいもありますが、残せなかったものは、たぶん、もうご縁の無い物なのでしょう。
いろいろな供養もでき、忘れられないお彼岸になりました。
9月2日~3日は、大学時代の友人たちと信州へ行きました。
ちょっと日にちが経ってしまったんですが、大事なイベントだったので(!)記録に残しておきたいと思います。
2日の朝は、東京駅から北陸新幹線「あさま」に乗り込みました。
北陸新幹線に乗るのは初めてでしたが、中はキレイだし、6人でしゃべっていると長野はあっという間で、「近いなぁ」という印象です。
オリンピックの時に整備されたのか、地方の駅とは思えない洗練度。
駅には「信州で人生が変わる」って書いてある!
この日私たちは善光寺に行きました。
公式案内人の方と待ち合わせをして、7777枚ある「石畳」の由来や、「仁王門」の説明を聞きながら、本堂へと向かいます。
「仁王門」の仏像は、表からは筋骨隆々な「仁王像」なのに、裏からだと「三面大黒天」や「荒神像」などの全く別の彫刻が彫ってあるという、アメイジングな造りでした。
本堂では「お戒壇めぐり」も体験することができました!
最後に薄明かりが見えてきた時の達成感といったら!
善光寺は昔も今も、「人生を見つめ直す」貴重な体験のできる場所なのでしょう。
善光寺には宿坊もあり、参道や周辺の道は歩いているだけでも風情があるので、この次は宿坊に泊まってみるのも良いかと思いました。
その後、長野電鉄に乗って湯田中温泉を目指しました。
この車両、どこかで見たことがあるような気がしていたら、小田急ロマンスカー(旧タイプ)の車両だったのですね!
長野電鉄は、小田急ロマンスカーや成田エクスプレス、東急や営団地下鉄などの車両を貰い受けて走らせている、マニアにはちょっと注目の路線なんだそうです。
長野のリンゴ畑の中を疾走するロマンスカーはかっこいい。
すれ違う車両が、どこの車両なのだろうと思って見るのも、楽しい。
今日で8月も終わり。
夏が終わってしまう。
海にも花火にも行けなかった・・・。
徳島には行きましたが・・・。
古い家の片付けというのは本当に大変だと思う。
まず、古い家にはおびただしい量の食器がある。
昔は、ちょっとした集まりはもちろんのこと、冠婚葬祭まで全部自宅でやっていたから。
今考えるとすごいことだ。
中古の食器というのは引き取り手も無いので、気に入ったものを少しだけ東京に持ってきました。
水羊羹とかを乗せて、しみじみと食べています。
昨日は「香るアフタヌーンコンサート」サブタイトル「熟女ソプラノトリオが贈る神楽坂サマーコンサート」でした。
・・・熟女ソプラノトリオ(笑)
40名以上のお客様に来ていただきまして、会場は満席。
暑くもないし、雨も降っていないという、最近の中ではそこそこのお天気の午後、楽しいひとときをお客様と過ごしました。
会場は「神楽坂アートサロン香音里」。
クラシックな雰囲気が素敵な、一軒家です。
2階を楽屋としてお借りしつつ、1階でリハーサル→本番をおこないました。
和室ということで響きを心配していたのですが、窓ガラスやピアノのふたが反響板の代わりをするのか、歌いにくくありませんでした。
照明の感じとか、間取りとかが、昔住んでいた家とどことなく似ていて、懐かしい雰囲気です。
この3人でやるコンサートは今回が初めてだったのですが、昔からの知り合いのように企画を進めることができました。
いろいろな共通点もあり、共通の知り合いもいたりして。
また、今回のプログラムは、企画段階からよく相談して、コンセプト(のようなもの)を練り、それなりに練習を重ねることもできましたので、歌った私たちにはなかなか達成感のある内容になったのではないかな、と思っています。
お客様にもそれが伝わっていると良いなあ。
打ち上げはそのまま神楽坂で、本番の倍くらいの時間をかけて打ちあがりましたとさ(笑)
お盆前は徳島に帰り、古い家の片づけをしたり、お寺にお墓参りに行ったりしました。
阿波踊り直前の徳島は、一年のうちで最も活気づく季節。
用事が一段落した夕方、ロープウェイで眉山の山頂まで登ってきました。
このロープウェイ、小さいゴンドラが2つ連なっていて「ひょうたんビュー」という名前。
ひょうたん号、ではなく、ひょうたんビュー号・・・なぜ・・・。
どうでもいいことを考えながら、レトロなゴンドラから周りを見回しているうちに、約6分で山頂に到着しました。
まず、夕日が沈んでいく方角のベンチに腰を下ろします。
南西の空では、雲が何か物言いたげに形を変え、そのうちにだんだんと薄桃色になり、日が沈んで群青色になりました。
少しさびしいけれど、心が落ち着く時間です。
人がたくさんいる北側のほうに目を向けると、見下ろす市街地には次々と灯りの数が増えていき、やがて夜を迎えました。
夜景には、もっと素敵なところもあると思うのですが、薄暮の時間、眉山の山頂から眺める景色は、私はなんとなく好きです。
吉野川や、遠くは淡路島のほうまで見える。
帰りに徳島駅まで歩く道すがら、新町川のLEDを眺めたり、演舞場の提灯を眺めたりしました。
今日15日は踊りの最終日、そして明日は新町川では灯籠流しが行われることでしょう。
怒涛の7月が終わり、8月になってもう8日。
7月末に私がどのくらい混乱していたかというと、31日にはとうとう左右違う靴を履いて出かけてしまうという・・・(爆)
形が同じだったので、気がつかなかったのですね(汗)
それにしてもボケまくりです。
「サッカー選手や海外セレブの間では、左右別の靴を履くのが流行ってるよ!」とかなんとか慰められつつ・・・。
8月に入り、ようやく次に向けて取り掛かる気持ちになれました。
神楽坂の「香るアフタヌーンコンサート」(8月20日本番)の練習をしたり、歌劇『シモン・ボッカネグラ』(10月23日本番)の音楽稽古が始まったり、で。
20日の神楽坂は、日本家屋の懐かしい雰囲気の一軒家で、40人くらいのお客様に向けておこなう、アットホームなコンサートです。熟女(?)3人がかりでいろんな歌を歌います。
コンサートホールとはまた違った良さを出せたらな、と思っています。
終演後には、夏の夕暮れの神楽坂をぶらぶら歩いてみるのも良いなあ。
先週末は徳島に帰ったので、またまた「たかしまコーヒー店」さんに行きました。
「たかしまコーヒー店」さんは昔ながらのレトロな喫茶店で、ここのホットサンドは美味しくて種類も多い。壁にずらりとメニューがあるのですが、迷ったあげくに私はたいてい「スペシャルバーガー」にしていますね~(笑)
お店で焼いているハンバーガーが、野菜と一緒に挟んである。
テイクアウトもできるので、高速バスの中で食べたりもします。
お店のど真ん中に一枚板のテーブルがドーンと置いてあるのですが(他のイスやテーブルはこれに合わせて後から揃えたみたい)、マスターがイタリア旅行中に、向こうの雑誌で一目ぼれしたかなんかで、探して購入したらしい。この写真だと奥側なので、わかりにくくてすみません・・・。
修道院で使われていたというテーブルには、なぜだか不思議な懐かしさがあります。
海も時空も超えてきたテーブル。
どんなものが食卓に乗っていたのだろう。
ここで並んでお食事していたシスターたちに思いを馳せながら、ホットサンドをいただきました。
自然がある場所に突然行きたくなり、仕事先の帰りに「篠崎浅間神社」に立ち寄ってみました。
篠崎から小岩行きのバス。「浅間神社」のバス停で降りると、江戸川区花火大会でも有名な篠崎公園のそばに出ます。サッカー場って書いてある。
ここの敷地は広々としていて、深呼吸するだけでも身体が解放されるようです。
来月の花火大会の準備が始まっているのか、場所全体になんとなくワクワクした気分が感じられました。
西を見ると、はるか遠くにちょうど夕日が沈みかけているところで、その静かな光景を、ぼんやりとただただ眺めていました。
・・・いろんな人の意見を聞き過ぎて、煮詰まって疲れてしまいました。
(あ、オペラのことじゃないですよ。)
何かを選択しなければならないとき、それが良いか悪いかは、やってみないとわからない。
関係者はそれぞれの立場でそれぞれの考えを述べているから、全部一理あるけれど、全部取り入れるのも難しい。
迷ったとしても答えが出ないし、未来がどうなるかなんて誰にもわからない。
もう、考えても考えてもわからないので、思考停止することにしました・・・。
「篠崎浅間神社」は、富士山を信仰する浅間神社のひとつです。
境内は広く、十三の末社があります。
初めて訪れましたが、落ち着いた静かな雰囲気でした。
終わってから少し経ってしまったのですが、7月14日もバルバラ・フリットリのマスタークラスを受けてきました。
前日よりは広くなり、30人くらい入る会場です。
この日の私のレッスン曲は『イル・トロヴァトーレ』の「恋はバラ色の翼に乗って」と、『運命の力』の「神よ平和を与えたまえ」。どちらもヴェルディのオペラアリアゆえ、フリットリはノリノリでした。
ヴェルディ愛~~。
特に『運命の力』のラストは圧巻でした。私がこの曲を持ってきたからこそ、聴講の人たちもこんなに近くでフリットリのパーチェ(運命の力のアリアの通称)を聴くことができたのだよ!良かった、良かった(笑)
譜面を勝手に変えて歌ったりすると、「ヴェルディがお墓の中から出てきて怒る」とのこと。気をつけましょう。
今回のマスタークラスはほとんど知られていなかった。
これだけの歌手だから、どこかのホールとか音大の講堂で大々的にやっても良いようなものだけど、そうなると今回のような、まるでホームレッスンのような温かな雰囲気は無くなるかもしれない。
それはそれでさびしい。
どちらが良いのかわからない。
今回はバルバラを身近に感じられて、本当に幸せな時間と空間でした。
7月12日~15日、なんとバルバラ・フリットリのマスタークラスが東京で開かれるとのことで、昨日受講してまいりました!
フリットリは世界中の歌劇場で活躍中のソプラノ歌手で、特にヴェルディのオペラには定評があります。
フリットリのオペラやコンサートにはもう何度も足を運んでいるし、CDやDVDも持っていて、超リスペクトする歌手のひとりです。
意を決して受講を申し込んでからも、「マスタークラスはホントにあるのだろうか?」とか、「すごく直されてワンフレーズしか進めなかったらどうしよう」とか、「この役は歌うのやめたらとか言われたらどうしよう」などと、ぐずぐず悩み、考え始めるとますます不安に。
余計なこと考えないで練習したらいいのに(笑)
そして昨日、マスタークラスの会場に入ったら、そこには本物のフリットリ様のお姿が!
ダメージの入った白ジーンズに、キラキラ光るドクロの黒Tシャツという、パンチのきいたオシャレな装い。
私の前の人がドニゼッティの「一滴の涙」を持ってきており、フリットリがワンフレーズ歌ってみせたりしている!
そのワンフレーズがそれはそれは美しく、これだけでも来た甲斐があったというもの。
そのうちに私の番になり、おそれ多くも『ドン・カルロ』のエリザベッタのアリア「世のむなしさを知るあなた様」を歌ったところ、さすがにこの役を世界中で歌っているフリットリ様だけあって、どんどん直してくださるのです!
直したほうがいいところは止めて、同じ箇所をフリットリが歌って見本を見せてくれるので、結果的には交代で全部歌うような形になりました。
こんな至近距離で、エリザベッタが聴けるなんて、感涙もの!
また、このアリアの背景となっているスペインのお墓に、フリットリ自身が実際に行ってみたときの詳しい情景なども話してくれました。
「この歌を歌う人はみんなそこに行ってみなければなりません!」というようなこともおっしゃっていました。
遠いんで、そんなに簡単には行けないんですけどね~(汗)
前後の人のレッスンを聴いただけですが、フリットリの教え方はとてもわかりやすく、その人の実力に合わせて的確なアドバイスをしているように見受けられました。
聴講するだけでも価値あり、でした。
興奮しすぎて昨日は疲れちゃったので、本日は脱力気味。
土曜日は高校の同窓会でグランドプリンスホテル新高輪へ。
こんなに大きな同窓会は年に1度なんですけれどね。
もう1年経ったのかと思う。
すごいデジャヴ感・・・。
1年て早いなあ。
今年は1,057人集まったんですって。
大盛況。
遅れていったせいで、食べ物がもうだいぶ少なくなっていましたが、どうにか「うどん」にはありつけました。それと、ビール(笑)
舞台上でいろいろ進行してくださっていましたが、しゃべっててあまり聞いていませんでした。ごめんなさい。
若いころは、仕事に家庭にと皆忙しかったようで集まりが悪かったですが、最近は少し落ち着いてきたのか、また同窓会に参加する人が増えたように思います。
話す内容は昔より自然体になってきており、肩ひじ張らなくなってきたというか、お互いの人生を尊重できるようになってきたというか・・・。
大人になったんですかね?
そう考えると歳を取るのも悪くないなと思う今日このごろ。
このあと同期だけでいつものように二次会をやりました。今年はスペイン料理(みたいな居酒屋)。話足りない人もいて三次会もありましたが、私は朝からバテ気味だったので諦めました。
また来年~。
イタリアの名ソプラノが429席の観客に歌う、一夜限りのリサイタル、7月3日は武蔵野市民文化会館へ行ってまいりました~。
白いドレスに濃紺の薄いショールを羽織って出てきたチェドリンス、最初の曲が『ノルマ』の「清き女神よ」です!
これって普通は、コンサートの最後のほうに歌うアリアでは?・・・と思っていたら、ピアニストのソロも挟みながら、さらに全開になっていき、『オテロ』や『運命の力』のアリア。
前半だけでリサイタル一回分くらい歌ってしまいました(驚)
チェドリンス氏はドラマティック・ソプラノで、出すところは出すけれど、細かい表現はとても繊細。ダイナミックな歌と演技にどんどん引き込まれていきます。
そして休憩を挟んで後半。
濃いピンクのドレスに着替えたチェドリンスは『蝶々夫人』の「ある晴れた日に」でスタートです。DVDにもなっているチェドリンスの蝶々夫人ですが、生で聴くのは初めて。これも素晴らしかった。
『ボエーム』のアリアを2曲歌い、カンツォーネも歌って、最後はサントゥッツア。
いろんなオペラの主人公が舞台の上でくるくると入れ替わります。
端のほうに譜面台をいちおう置いてあるんですが(ほとんど見ていないけれども、時々何かを確認している様子)、それすらも小道具のように使っていらっしゃいました。
アンコールには『カルメン』の「ハバネラ」なども歌って、最後の最後は会場も巻き込んで「初恋」を日本語で。
会場も良い声だなあ、と思っていたら、帰りのロビーで音楽関係者の姿がちらほら。
興奮し過ぎで、知り合いに会っても「すごかったですよね」としか言えない私。
クールダウンするために、吉祥寺のゴンチャでブラックミルクティーをずるずる飲んで帰りました。
あんなすごい表現力を、ほんの少しでもマネできたら良いんですけれど。
2週間ほど前、徳島に帰る途中で、京都に立ち寄りました。
この時期の京都はたぶん初めてだと思うのですが、街のあちこちの青紅葉も清々しく、その色合いに癒されました。
この日は、夜に建仁寺の特別拝観を申し込んでおりましたので、その前に昼間の様子をちょっとでも見ておこうかなと足を運んだところ、広い広い!
建仁寺は広いのです。
説明の方から、昔はもっと広い敷地だったというお話も聞きました(驚)
そして、とても静か。
観るところを一ヶ所だけに絞ることにし、ちょうど看板が出ていた両足院に入りました。
両足院の庭園ではこの時期、半夏生という植物の葉が白くなっていて、まるで白い花が咲いたかのように池のほとりを彩っていました。
「半夏生」は、暦の半夏生の時期(今年は7月2日)に花を咲かせることからそう呼ばれるという説や、葉の一部だけ白くなるのが「半化粧」のようだとする説など、いろいろあるそうです。
爽やかだけど、なんだか神秘的な光景でした。
6月は、徳島の家を片付けに帰っていたりしたため、なんだかバタバタと過ぎてしまいました。
そして気がつくと、もう月末!
ブログも更新できなかったなぁ、なんて。
そんな中、昨晩は、今年度の日本語唱法研究会の初日でした。場所も新百合ヶ丘から中野に移ったため、初の会場です。
この研究会は、講義のあと、大賀先生による数人の公開レッスンのようなものがあるのです。昨晩は私も歌わせていただける番でした。
超緊張・・・!(笑)
私は3年目ですが、研究会にはずっと前から参加されているベテランの方も多い。私にとっては最近レパートリーにしたばっかりの曲を披露しているけれど、皆さんはよくご存じなんだよね、と思ったり。
朝から何となく落ち着かず、仕事も上の空で、普通のオーディションのほうがまだ緊張しないよね、と思ったり。
「歌曲はその人なりの情景や感情の表現で良いのだ」とか、他人にはエラソーなことを言っておきながら、自分はまだまだ迷いが多いのであった・・・(笑)
そんなこんなで、あっという間に歌唱も無事終了し、いただいた指摘も大切なことばかりで、有意義な時間を過ごすことができました。また、がんばろう、と思う。
久々に会った方とおしゃべりすることもできたし、友人と帰りにご飯もして(安くて美味しい中華でした!)、ようやく緊張がほぐれたのでした。
5月28日に試唱会(オーディション)を受けまして、日本オペラ協会にも所属することになりました!
オーディション用に提出した日本歌曲は、私にとってどちらも思い入れのある曲でしたので、本番も落ち着いて歌えたんじゃないかな~と思います(当人比)。
日本オペラ振興会は、藤原歌劇団(イタリア・フランスものを主とする外国のオペラを公演)と日本オペラ協会(日本のオペラを公演)の2つの団体から成り立っているのですが、今までは一部の人を除いては、どちらかに所属することになっていました。
このたび規程が変わりまして、両団体に所属することができるようになったのですが、日本語唱法を研究している私としましてはw、藤原歌劇団だけではなく日本オペラ協会にも所属したい、というわけで。
何かに「合格する」ということは嬉しいことですね~。
昨日「ひとり合格祝ランチ」をしました。
瀬戸内産のイワシのマリネはしみじみと美味しく、デザートには今年初のかき氷をいただきました。
支えてくださる方々に感謝しつつ、私の歌える歌を、これからも歌っていきたいと思っています。
昨日は、新国立劇場に「ジークフリート」のゲネを観に行く機会に恵まれました。
「ジークフリート」は『ニーベルングの指環』の中の1作品で、この『指環』は、「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリート」「神々の黄昏」の4作品から成り立っています。
『ニーベルングの指環』は全部上演すると、本編だけでも15時間くらいあるので(!!)、ヨーロッパの歌劇場でもひとつずつか、連続でも4夜とかに分けて上演されているようです。
ワーグナーは長い。
長さに加えてこちらの知識も無い。そのため、なんとな~く敬遠していたのですが、文学にしろ芸術にしろ娯楽にしろ、この世界観を共有するもの、またここから派生したものがたくさんあることから、『ニーベルングの指環』に関してはちゃんと観てみたいなあと思っていたところでした。
上演は午後2時にスタートし、休憩も含めて約6時間。終わったのは夜8時ごろでした。
最後まで頑張れるだろうか・・・とちょっと心配だったのですが、それは全くの杞憂でした。
すごかった!すごく良かったのです!
もし、今日もう一度見せてあげる、と言われたら、喜んでいくかも。(言われないけど)
普通のオペラよりさらに重厚感の増したオーケストラを飛び越えて、劇場の隅々まで響き渡るジークフリート役のステファン・グールドの声。
言葉のひとつひとつが、二階席の手元まで明瞭に飛んできて、感動です。
この役は、最初から最後まで歌いっぱなしの上、スタミナが切れかかる第3幕後半で、眠りから覚めた超元気なブリュンヒルデ(この人もワーグナー歌いのソプラノなので半端ない)との長大な二重唱があるのです。
この役を歌える人がそうそういるとは思えない。
ステファン・グールド氏はこのジークフリート役が持ち役で、もう60回以上も歌ってきているという話。そういう人でこのオペラが聴けたということは、とても嬉しいことでした。
さすらい人の姿をしたヴォータン(神々の長)役のグリア・グリムスレイの低声も渋くてステキでした。エルダ役のメゾのクリスタ・マイヤーの深い響きも重唱も良かったです。
この日はゲネプロでしたので、カーテンコールでは既に私服に着替えているキャストの姿も見ることができました。
いちおうあらすじは調べていきましたが、ワーグナーってオペラの中でなぞなぞ合戦みたいな問答があって、それまでのいきさつがわかるようになっているんですね。親切~~。
21日の日曜日は、日本オペラ協会の「日本歌曲連続演奏会」が新百合ヶ丘で催され、今回は大賀先生の米寿のお祝いのコンサートでもありました。
プログラムは、大賀先生の好きな歌を作曲家ごとに古い順に28人の歌手が演奏していく、というものでしたが、バラエティに富んでいて、最後まで飽きることがありませんでした。
感動したり、大笑いしたり。
それぞれの歌に、深い「思い」のようなものが込められていて、どの曲も味わい深いものでした。
日本語だからダイレクトに伝わってくる、ということもあると思います。
コンサートも終盤になり、折江監督の歌われた「小さな空」(武満徹作曲)は、聴いているうちに涙が止まらなくなりました。さらに追い打ちをかけるように、大賀先生が「荒城の月」(瀧廉太郎作曲)を歌われると、何ともいえない寂寥感にさいなまれて、自分が何に対して泣いているのか、最後にはよくわからなくなりました。
そういえば、私の亡き母も「荒城の月」が好きで、よく歌っていました。
記憶が曖昧になり、いろんなことができなくなった晩年も、「荒城の月」だけは歌っていた母。
母の頭の中には、どんな月が見えていたのだろうか・・・と、ふと思う。
同じ歌でも歌い手によって、さまざまに情景は変化します。
歌曲は、その歌い手の人生そのものなのだなあ、と思います。
先日、国立新美術館の「わが永遠の魂」に行ってきました。
この展示会は意外と長くやっているので(とはいえ、5/22までです)、3月と5月の2回、観に行くことができました!
草間先生の作品は、何度観ても新しい発見がありますね~。
会場にもエネルギーが充満しており、元気と勇気がもらえました!!
入って最初のほうに、今回のテーマである「わが永遠の魂」の部屋があり(約2メートル四方のカンヴァスに、アクリル絵の具で描かれたカラフルな連作が、なんと130点!すごい量です)、色の洪水のような、めくるめくスペース。撮影可能エリアだということもあって、すっかり興奮した私は、1回目の大半の時間を、この部屋で過ごしてしまいました(汗)
最近の音声ガイドは凝っていて面白いものが多いのですが、草間彌生展では先生ご自身の解説、朗読や、歌までもが収められており、他の追随を許さないクオリティだと思いました。
借りて良かった。
屋外では、巨大なカボチャが、六本木の夜景に妖しく映えていました。
2回目に行ったときは、初期の暗めの作品や、ソフト・スカルプチャで作られたドレッサーやボート(このボートは素晴らしいですよ)なども、落ち着いて観ることができました。
小さな光が無数にきらめく中を歩くことができる「無限の鏡の間」は、いつまでもそこに居たくなるような不思議空間でした。
おなじみのモチーフの屋外展示「南瓜」もそうですが、体験型というか共存型の作品も、稀代の天才を親しみやすいものにしていると思いました。
グッズはむしろキモカワと言っても良いのに、ショップは長蛇の列。他の作家ではあまり考えられないことです。
1回目に見損ねた屋外展示「木に登った水玉2017」(外の木が、水玉模様の布でぐるぐる巻きに養生されている)もゆっくり鑑賞できました。
日本にずっと居たらここまで理解されなかったかも。
ゴールデン・ウィークは、徳島からの帰り、鳴門の大塚国際美術館に立ち寄りました。
ここの美術品は、すべて陶板に焼き付けたレプリカ(いわゆるニセモノ)ですが、そんじょそこらのニセモノではありません。全部実物大だし、色も精巧に複製してあるし(筆のタッチまで!)、1,000点以上!
うまく言えないのですが、「美術の教科書やカタログが、実物大3Dになった」という感じです。
子どもの頃、そういう妄想を抱いたことはありますが・・・。
まず、システィーナ・ホールに入った瞬間、そのスケールにびっくりしました。
トルコのカッパドキアの洞窟寺院なんかは、そのまま持ってきた感じだし。
よくこんなものを作ろうと思ったなぁ、とひたすら感動です。
中でも、美術館紹介の印刷物にも使われている「スクロヴェーニ礼拝堂」は、青色がとにかく綺麗で、どこかから静かに光も差し込んでいて、中にいるだけで癒されました。
また、「最後の晩餐」を復元前と復元後の2枚、同じ部屋に並べて展示したりできるのも(驚)、レプリカならでは、です。
複製ですから、本物が持つ独自の「エネルギー」や「圧力」のようなものは無いのかもしれませんが、世界中の有名絵画が実物大で一堂に会しているというのは、やはり圧巻です。
ここで気に入った画家の作品に出会えたら、実物を観に行きたいと思う人も多いでしょう。
B3~B2階で写真を撮って遊んでいたら、2階の現代美術のコーナーに来るころには、閉館時間近くになってしまいました(汗)
またリベンジしないと、ですかね~。
週末は、関西から上京した友人も含めて、神楽坂で女子会をしました。
それにしても「女子会」という言葉は、不思議で、便利なことば。
そこに男性がいないことと、気楽な集まりであることを、同時に示している。
「女子」という、かつては少女のことだけを指した言葉も、「女子会」の普及によって、自己申告によって未既婚や年齢すらも関係ないこととなりました(笑)
それはさておき、
大学時代の寮の同期で集まり、軽く飲みながら、美味しい食事をいただく。
コーヒーを飲む。
いろんな話をする。
みんな、仕事や、家事や、介護をやりくりして、このために集まっている。
昔は日常だった風景が(食事は寮食だったけど)、こんなに貴重なものになるとは。
神楽坂の夜はあっという間に更け、また会う約束をして、みんなそれぞれの日常に戻っていくのでした。
週末、熱が出ました。
そのため、家で猫のように丸くなって眠り続けました。
時折聞こえる雨の音でお天気が変わったことを知り、薄暗くなった外を眺めてはまた眠り、しばらくすると今度は、外が明るい日差しに変わっていたりするのでした。
少し動けるようになると、近所のドラッグストアに新しい体温計を買いに行きました。
真新しい体温計で何度も熱を測り、その数値に一喜一憂しながら、子どものように過ごしました。
翌日にはさらに動けるようになったので、鶏肉とシイタケと春キャベツをだし汁で煮込んで、スープを作りました。素朴な味ですが、温かいというだけで何かが許されたような気持ちになり、身体に染みました。
熱を出す前に本屋で2冊購入していたのは、偶然にも風邪の本と旅の本でした。
もしかして予知?(笑)
以前、鍼灸の先生に「熱が出ると身体が弛(ゆる)む」と言われたことがあり、そのときはピンとこなかったのですが、この「風邪の効用」を読むと「人間は風邪をひくことによって身体を弛めているし、さらに大きな病気にかからないように調節している」というようなことが書かれてありました。
専門的な骨の位置などはよくわからず、西洋医学の考え方とは少し異なるところもありましたが、納得できるところはたくさんありました。
半分くらい読みました。
思い返せば、この一年余り、想定外のいろいろな問題にぶつかって、苦戦した私。
先月収束に向かいましたが、苦労談として笑い話にできる日が来るのだろうか。
もしかしたら、これ以上無理させないように、身体は無意識のうちに風邪をもらい、ここで休ませたのかもしれないと思いました。
そう考えると、少し前向きな気持ちになれました。
昨晩は8月の神楽坂コンサートの打ち合わせをしました。
どことなく不思議な縁でつながった方たちとの、新しい船出です。
コンサートをするにあたっては、
〇会場の広さや雰囲気に合うこと
〇お客様との一体感を大切にしたいこと
〇3人でやることの良さも生かしたいこと
などが話し合われ・・・
また、「夏」「神楽坂」「小道」「オペラ」・・・などのキーワードから、どんなコンセプトにしようかと意見を出し合いました。
商品開発の会議に似ています。
あっという間に夜は更け、打ち合わせの続きを行うべく移動した食事処では、なんと「のれそれ」が出ました。
「のれそれ」はアナゴの稚魚で、透明で、見た目はところてんに似ています。
食感はいかそうめんのようで、ちょっと不思議な歯ごたえあり。
高知では春を告げるお魚で、東京ではあまり食べることができないので、嬉しかった。
ポン酢と細ネギともみじおろしでいただきました。
「のれそれ」の語源は、調べてもハッキリしないのですが、生命力が強くて網の中で「のったり」「それたり」して残っていることから来ているのではないか、という説が有力です。
「のったりそったり」しながら、ゆるゆると生きていきたいですよね(笑)
4月9日の舞台から一週間。
制作にも関わりましたので、今回も楽しい小道具をいくつか手作りしました。
2つご紹介しますね。
ひとつ目は燭台。
『ドン・カルロ』で、王様の机に置いてあったやつです。
実際に火をつけちゃうとホールに許可取らないといけないので、演出の森先生が、蝋燭をドロドロにしてニセモノの炎をつけてくださいました!
私も蝋燭ドロドロには挑戦しようとしたのですが、完全燃焼してしまい、こんなふうにはならなかったんですよね。森先生、どうやったんだろう・・・。
LEDも考えたのですが、暗転時にタイミング良く一緒に消さないと光が残ってしまう、という欠点(?)があるんです。
燭台というのは、舞台では象徴的な役割を果たす大切なアイテムなので、これは保存しようと思います。
そして、もうひとつは望遠鏡。
『蝶々夫人』で礼砲が聞こえて、蝶々さんは望遠鏡で軍艦の名前を探します。
「名前は・・・名前は・・・エイブラハム・リンカーン号よ!」
感動のシーンです。
私が望遠鏡を手に取った時、会場のお客様の何割かは「たぶん、あれだな」と思ったことでしょう。
そう、賞状の筒に黒の画用紙を貼ったのです。
そして、レンズのところは家にあった化粧水の瓶のフタ。立体感がピッタリのものがあって、見つけたとき、テンションが上がってしまいました。
この望遠鏡は気に入っていて、持ち歩きすぎてちょっと傷んじゃったので、ふだんの練習ではサランラップの芯を使うべきでした。
このように、なんでも作るのは面白いのですが、謎の小道具たちがどんどん増えていき、そういうモノたちと一緒に生活している状態です。
断舎利の先生が見たら怒るな、絶対。
4月9日、「オペラ名場面コンサート」が無事に終了しました。
朝の鍵開けから始まって、夜更けの二次会まで、それはもう、くたくたになりましたが、おかげさまでとても良い公演ができたと思います。
ありがとうございました。
出演者、スタッフ、お客様、ホールの人たち、みんなに感謝したいです。
私が、「関係者全員がその日その場所に揃った時点で、8割成功と考えている」と言うと、「え~」ってよく驚かれるんですが、本当にそう思っているんだから。
今回は、オペラ1本全幕というわけでもなく、また、ハイライトというわけでもなく、部分的にストーリーを浮かび上がらせるような抜粋を集めたので、初めてのお客様にはわかりにくいのではないか、とずっと心配でした。
しかも、4本も見せるなんて多いよね、と思ったりして・・・。
しかし、そんなことは杞憂だったようで、お客様のほうがずっと気楽に、柔軟に、楽しんでくださったようです。
また、本番のテンションというのは不思議なもので、こちらもやりながら同時進行で役が理解できたりするんですよね。
終わりまして、ようやく花見をしようかという気持ちの余裕ができました(遅いけど)。
帰り道、渋谷の桜並木には道路いっぱいの花びらが敷き詰められており、その上からさらに、はらはらと舞い落ちておりました。
それを見てなぜか「拾わなきゃ」と思ったりして(笑)
「花の二重唱」で、花びらを撒いてはスズキと拾っていたもので。
年度末はただでさえ忙しい。
・・・なのに、
オペラコンサートの準備でさらに忙しくなってしまいました・・・(汗)
今回は、4つのオペラの抜粋なのですが、それぞれ30~40分くらいはあり、なかなかのボリューム。
『フィガロの結婚』→『ドン・カルロ』→『椿姫』→『蝶々夫人』の順でやるのですが、よく考えると、ものすごく盛り沢山なプログラムだった。
人間、わかっていないということは恐ろしいもので、いろんなことにチャレンジしてしまうのであった・・・。
でも、どれも有名なオペラだし、せっかくなので、来たお客様にはこの中でひとつでも気に入って帰ってもらえるといいな、と思うのであった。
私が歌うのは、『ドン・カルロ』のエリザベッタのアリア「世の虚しさをお知りになるあなた様」と、『蝶々夫人』から抜粋で「ピンカートンとの愛の二重唱」「ある晴れた日に」「スズキとの花の二重唱」などなど。
花の二重唱で撒こうと思って、花びらを用意しました。
アマゾンで買った花びら(もともとはウェディング用と思われる)は、100枚がくっついているので、根気よく1枚ずつはがします。
その後、静電気が起こらないようにエレガードし、カゴに入れます。
春らしいピンク。
外にも桜の花が咲き始めたけれど、それともちょっと似ている。
練習で、スズキと撒いては、拾い集める。
これを撒いている蝶々さんは、絶好調に幸せなんだよね・・・。
今回は、最後の悲しいシーンは、やりません。花の二重唱で終わり。
ここまで観て、このオペラを最後まで観たいと思ってもらえると良いな。
日曜日、今年度の日本語唱法研究発表会が無事終了。
限られた中での練習で、試行錯誤しましたが、終わってみれば楽しい日々でした。
5分30秒の出演に向けて、『天守物語』のオペラのDVD、映画のDVD、脚本や資料なども読んで、おかげさまでいろいろなものに接することができました。
本番があると、さすがに勉強するもんです。
「身分の高い、妖怪変化」というのがどういうものなのか、今までこんなに突き詰めて考えたことはなかった・・・(笑)
外は、3月にしては冷たい雨が降っていましたが、それでも足を運んでくださったお客様には感謝です。みなさん熱心に聴いてくださっていました。
舞い上がっていたのか、二重唱のお相手と写真を撮るのを忘れてしまいました。
残念なり~。
客席からの貴重な写真をいただきましたので、載せておきます。
明後日は、新百合ヶ丘で日本語唱法研究発表会があります。
日本語唱法研究会には、私は一昨年くらいから参加し始めました。今回はオペラ『天守物語』の「富姫と亀姫の二重唱」を歌わせていただきます。日本オペラ振興会のベテランの方々にまじって歌うのは超ドキドキ。
天守物語といえば、原作は泉鏡花の代表作のひとつです。播州姫路城の天守閣に住まう、天守夫人富姫と妖怪たちの美しい異世界が舞台。富姫は人間の美男、図書之助と恋に落ちます。
映画になったり舞台になったりアニメになったりしていますが、オペラにもなっています!
オペラの中の「富姫と亀姫の二重唱」は、妖しくも美しい素敵なシーン。憧れの重唱だったのですが、思いがけず勉強する機会に恵まれました。
二重唱のお相手の中村さんが「参考に」と、映画のDVDを貸してくださいました。
昨晩やっと観ましたよ~。
この映画、坂東玉三郎さんが富姫、宮沢りえさんが亀姫を演じていて、玉三郎さまはしぐさといい、風格といい、絶世の美女感(しかも妖怪感)が半端ないし、宮沢りえさんの亀姫はお肌つるつるで、表情とかとても可愛い。
「はぁ~」とため息は出ましたが、どこまで参考にできるのかは不明(笑)
でも頑張ってみますね。
5分30秒だけ絶世の美女に挑戦します。
所用あり、週末は徳島でした。
「徳島は初めて」という方も一緒でしたので、鳴門で待ち合わせて、皆で渦潮を観ました。
この日はお天気の良い日曜日、しかも大潮の日!
干潮に合わせて訪れましたので、人が多かったです。観潮船も混んでいるようでした。
「渦の道」という海上遊歩道は、ところどころガラス床になっていて、渦潮を上から観ることができるんです。
ガラス床から写真を撮ってみましたが、気象衛星か何かの写真のようですね(笑)
静止画だと、どうがんばっても渦の様子をリアルにお伝えできないのが残念です。
晴れていて、橋もきれいに見えました。
出身地近くの観光地って、実はあまり行ったことがなかったり、説明できなかったりするんですよね。反省です。
夕食は、春らしい懐石料理をいただきました。お世話になった方々と日本家屋で静かにいただくお料理は、あわただしい中でもほっとできるひとときでした。
4月9日の「オペラ名場面コンサート」のチラシの印刷があがってきました!
企画から関わっているオペラやコンサートについては、チラシやチケットのデザインをすることも多いのですが、今回はオペラ4本の抜粋版。・・・なので、どんなふうにしようかなぁと。
春だし、以前から使ってみたかった薔薇の花を背景にしたい。
でも、出演者とのバランスを考えて、あまりプリティ過ぎないようにして・・・(爆)
・・・ピンクを基調に、ちょっと暗めにしてみました。
できあがったチラシを置いてもらうために、27日は渋谷区の文化総合センター大和田へ。
大和田の入り口には、彫刻家の安田侃(やすだ・かん)氏の「帰門」という作品があって、いつも静かに迎えてくれます。
空に向かう「種」のような形を見るたびに、それは宇宙から来た存在なのか、いつか帰りたいのか、それは私たちも同じなのか、と不思議な思いが巡ります。
コンサートに向けて、準備も、稽古も、することは山積みだけど、ひとつずつやっていこう。
日曜日は、4月9日におこなう「オペラ名場面コンサート」のキャストが全員集まりました。
「オペラやコンサートは同じ舟に乗っている仲間のようなもの」と私はよく思うのですが、「今回の乗船メンバーはこの人たちなのだ」と思って見回すと、本当に感慨深く、祈るような気持ちになりました。
こないだまで全く知らなかった人と歌っている。
昔から知っている人とも歌っている。
何かを作り上げていくというのは、大変だけど、かけがえのない経験です。
時にはケンカみたいになることもあるし(笑)
季節は移り変わり、寒い中にもどこか春めいてきました。
こどものころ、明日にワクワクしたように、ワクワクしながら新しいことに挑戦したいと思っています。
2月も半ばになりました。
先週末は、徳島への行き帰りに京都で途中下車しました。
毎年この時期に駅にある「京の冬の旅」というパンフレット。
何気なく手に取ったら、聖護院で初公開されるという弁才天尊のお姿にひとめぼれ。
その上品さは京雛のよう。これはぜひ実物を拝観したい!
当日は早めに東京を出て、新幹線で京都に向かいました。
京都に着いたらまず、駅の上で鯛茶漬けをいただきました。その後テキトーにバスを探して出発です。京都のバスは便利。何回でも乗れる1日乗車券(500円)もあるので、これを購入。
冬の京都は底冷えするだろうと思ったので、コートの下にはウルトラライトダウンを着込み、お寺ではタイツの上にさらにソックスを履くことにしました。
聖護院を目指してバスに乗っていると、空が鉛色になって雪が降り始めました。
ものすごい大きなボタン雪で、結晶が見えそうなくらいの雪片が、花びらのようにバスの窓に貼りついては、溶けていきます。
初めて訪れる聖護院には(文化財なのでもちろん写メ禁止)不動明王などの修験道に関する仏様が多く、また、豪華絢爛な狩野派の障壁画には圧倒されました。
美術館で見るのとはまた違う、現場の迫力です!
弁才天尊はもちろん拝むことができましたし、あまりお目にかかる機会のない宇賀神像も拝観することができました。このような仏像を、こんな近くで、こんなにゆっくり見られるなんて。ここまで来て良かった~。
お庭は写メを撮っても良いと言われたので、載せておきます。
市松模様のオシャレな庭で、梅の木にも庭にも雪が舞い、とても静かな空間でした。
特別公開のお寺は夕方4時までのところが多く、近くならもう1ヶ所くらい行けそうだったので、次は金戒光明寺を目指しました。
ところが、山門まで来た瞬間、広くてびっくり。
会津藩の軍隊が駐屯できたくらいなので、広くて当然なのですが、私はそこまで考えていなかった。ゆっくり回れなかったので、ちょっと残念でした。
仏像だけでなく、鎧・兜などの展示もあったため、寺院のようでもあり、お城のようでもあり、ちょっと変わった場所でした。
虎の描かれた襖絵は、トリックアートのようになっていて、これも楽しめました。
冬の京都は寒いけれど、静かにゆっくり回るのには良いです。
そのあと、徳島に行きましたが、徳島のお寺も寒かった・・・。
先日、英国ロイヤル・オペラ・ハウスの映画『ホフマン物語』を観てきました。
やっている期間は1/27~2/2と短い。
そして1日に1回だけ。
ですが、ホフマンがヴィットリオ・グリゴーロ、悪役4役がトーマス・
悪役4役は、全部1人でやることも、別々の人がやることもあるのですが、
歌うほうは大変ですけれどね~。
トーマス・ハンプソンは、渋い俳優さんみたいでカッコいい!
インタビュー等も含めて4時間以上の長丁場ですが、
カーテンコールでのグリゴーロのやりきった感のある清々しい表情を見て、この役の大変さが伝わってきて、胸が熱くなりました。
どの人も良かったけれど、女性ではアントニア役のソーニャ・ヨンチェヴァが特に好みでした。
こないだ私も『ホフマン物語』に参加した成果があり、若干ながら勉強が進み、
そして、ホフマン物語にハマった1月も、もう終わり~。次の舞台の準備に取りかからねばなりません。
24日は、シアター・ゼロさんの『ホフマン物語』に、「アントニアの母」役で出演してきました~。
今回の版はアントニアが第3幕なので、お母さんの出番も、最後の最後です。
お昼ごろから場当たり→ゲネプロ→本番は夜、という過程を踏んできているので、私が出るころには、もう、出演者もお客様も疲れ果てているという・・・(笑)
お母さんは、亡霊というか悪魔ミラクル先生が映し出した幻影。
なので、ライトが当たっているところだけで動いてそこからは出ないでくださいね、という監督さんからの指示がありました。
よっしゃ、わかりましたよ~。
本番で出る時間は短かかったけれど、アントニアを破滅に導く大切な役どころなので、できるだけ頑張りました。
終わっちゃって、ホッとしたような、さみしいような・・・。
今日もまだ、いろんな場面の、いろんな音楽が、私の頭の中で鳴り響いています。
小劇場の手作り感満載の小道具やセットも、なかなか愛嬌があるものでした。
100均で売っているという、大きなダイヤモンドを見せびらかすシーンや、赤いゴム手袋をつけて行う、謎の診察シーンも、もう見られないなんて(笑)
ホフマン物語は、いろいろなキャラクターが必要だし、ホフマン役は難しいし、フランス語だしで、なかなか上演されないのですが、今回は参加することができて、とても良い経験になりました。
これからホフマン物語を観客として観るときも、今までよりさらに楽しめそうです。
お正月はあっという間に終わり、三連休も終わり、そして1月までもが半分過ぎようとしています!
今年も、なしくずし的に新年に突入してしまいました・・・。
ああ、もったいない。
そんな中、先日は『ホフマン物語』の稽古に行きました。
『ホフマン物語』ていうのは、すごくざっくり言うと、
「ホフマンという詩人が、酒場でくだを巻きながら、3つの失恋話を披露するオペラ」・・・です。
中で有名な曲といえば、やはり「ホフマンの舟歌」で、ホフマンの友人ニクラウスとヴェネチアの娼婦ジュリエッタによって歌われる二重唱ですね。CMによく使われたりしていますし、コンサートでこの曲だけを単独で取り上げたりもします。
『ホフマン物語』には謎が多く、いくつもの版が存在するのですが、今回使用する版では、ホフマンが恋する女性の順番が、オランピア(自動人形)→ジュリエッタ(ヴェネチアの高級娼婦)→アントニア(瀕死の歌姫)となっています。
お話は荒唐無稽というか、ちょっと奇怪なところがありまして、突っ込みどころ満載(笑)
最初のオランピアに恋したところから「どうして人形だと気づかない?!」と立ち上がって文句を言いたくなるのですが、それを凌駕するほど、どの場面の音楽も美しい。
だいたいどのオペラも、話の筋はおかしなことが多いので、それで良いのです!
悪魔のようなバリトンに翻弄されて、ダメさ加減がどんどん露呈していくホフマンは、フランスオペラのテノールにありがちなキャラクター。
私の萌えポイントでもあります。
いつもはDVDなどで、完全に観客として楽しんでいた『ホフマン物語』ですが、ひょんなことから、知人の紹介で出演することになりました。
私は「アントニアの母」という脇の役柄で、第3幕のアンサンブルで、5分ほど出ます。
この役は影歌のことも多いのですが、今回は「出る」らしい。悪魔ミラクル先生に映し出された幻影というか、動く肖像画みたいなイメージなので(もはやホラー)、特にすごい演技とかはしないです。演技をしてないわけじゃなくて、そういう設定だから、観に来た人は間違えないように!(笑)
ようやく暗譜もできたし、どんなふうにしようかなぁと思案中。
いつか、アントニアかジュリエッタをやってみたいですが、今はお母さん役を楽しんで準備したいと思います。