今年は、クリスマスの直前にジャズ・コンサートに行く機会ができました。
場所は渋谷のオーチャードホール。
ライブハウスじゃなくて、大きなホールで聴くジャズも、また新鮮。
最初は硬かった客席の雰囲気も、後半だんだんほぐれてきて。
演奏は、うらやましいくらい、自由だった。
自由に演奏するためには、とてつもない才能と、技術と、練習が必要だけど、そんなことを微塵も出さない、ただただ自由に音楽を楽しんでいるように見える人たちが、そこに居る・・・。
オリジナルのジャズ(即興含む)の連続でしたが、心地よく聴けました。
最後にちょっとだけクリスマスっぽい曲もあったけど、ゴスペル調に編曲されていて、大人のクリスマス、って感じだった。
ミラーボールが回ると同時に、小曽根真さんのサイン入りのハートが、天井からひらひらと羽のように舞い降りてきて足元に落ちて。
2枚ももらってしまった。
「縁起物」という言葉が頭に浮かびました。
たぶんコピーだと思うけれど、演奏の力のおすそ分けをもらえたようで、嬉しかったです。
なんと日曜日は、お香の会に初参加。
香道では「嗅ぐ」とは言わず、「聞く」と言うみたい。
なんとも風流な・・・。
全く自信が無かったのですが、誘ってくださった方が、「先生も怖くないし、平気ですよ。当てることが重要ではないみたい。自分の感じ方で良いみたいです。」とおっしゃるので、鵜呑みにして行ってみました(笑)
今回のテーマは、12月にふさわしく、香りで戒める「三戒」。
論語の中の三戒(青年の女色、壮年の闘争、老年の利得)にあてた3つに加えて、「心」にあてた香りがあり、全部で4つの香りを、試香3+本香12の計15回聞いていきます。
思ったより多い・・・。
試香の3つを聞いた後、想定外に難しいことに気づき、大変焦りました(汗)
アロマテラピーのようなものを想像していたのですが、香木の香りの差は、かなり微妙。
もっと気合いを入れて聞くべきでした。
香炉の扱いが気になりぐるぐる回したり、早く隣の人に回さなきゃと焦ったりで。
私は香木との対話が充分ではなかった。(←偉そう)
本香をいくつか聞いていうちに、試香の中には無かった香りがあり、これが「心」だなと思いました。ちょっとスパイシーな癖のある香りで、何故かこれだけは当てることができました。後から聞いたところ、「伽羅」だということで、うちの高いほうのお線香の香りに似ていました。
たくさん香りを聞いているうちに、アルファ波が出て、どんどん眠くなってきました。
高貴な香木たちが「眠れ~眠れ~」って私に語りかけてくる(笑)
香木には何千種類もあるのかと思ったら、香道で使うのは、伽羅(きゃら)・羅国(らこく)・真南蛮(まなばん)・真那賀(まなか)・佐曽羅(さそら)・寸門多羅(すもたら)の六種だそうです。全部、東南アジアに生えている木から出来たものだそうで、その国の名前が付いているものが多い。木は1本1本違うものだし、同じ木でも場所によって微妙に香りが違うという話でした。
奥深い世界です・・・。
「着物で参加してください」ということだったので、うぐいす色のちりめんに栗繭の八寸帯で行きました。グリーン地に赤い小花の小紋で、ちょっとクリスマスを意識。
香道の後は、クリスマスの和菓子をいただきながら茶話会となりました。
どれも可愛かったけれど、私はクリスマス・リース。
夏ごろから時々通っていた着付け教室ですが、自装が二重太鼓まで出来るようになり、一昨日、試験を受けて合格しました。
よく通えたなと思う。
合格証ももらえて、だいぶ嬉しい。
これで年末年始の着物でのお出かけも、どんとこい!(笑)
秋口に体調がすぐれなくてしばらく歌えなかった時でも、着物の本を眺めたり、小物を揃えたりすることは、随分と癒しになりました。
他装(他人に着付けること)も勉強したいけれど、これからオペラの練習が忙しくなりそうなので、しばらくはそちらに集中です。
表参道に出ると、とても素敵なイルミネーション!
オペラ『ファルスタッフ』を2回観ました。
1回目は月曜日。長津田のみどりアートパークでの公演。
以前私もお世話になったことのあるプロダクションの主催で、知っている方がたくさん出演していました。
大道具小道具ともに手作りの舞台で、ピアノ伴奏によるシンプルな公演でしたが、雰囲気はとても良かった。
2回目は木曜日。新国立劇場での公演。
指揮者はカルロ・リッツィ氏で、テンポよく音楽が運んでおり、やはりオケで聴くファルスタッフは、最後の大きな重唱まで圧巻でした。
美術は、17世紀のオランダ絵画にインスピレーションを受けたということで、フェルメール風。
出演者は皆とてもチャーミングで、絵画から抜け出たようでした。
喜劇は悲劇よりも難しい、と思う。
必死でやっていても、それを見せずにお客様を楽しませないといけない。
しかも、『ファルスタッフ』は、印象に残るようなアリアはほとんど無く(?)、掛け合いとアンサンブルの連続!連続!
大きなアンサンブルは複雑で、出たり入ったりするタイミングが難しそう。
観るのは楽しいけど、やるのはめっちゃ大変そうだわ、と思いました・・・。
『ファルスタッフ』は巨匠ヴェルディが作曲した、最後のオペラにして、珍しく喜劇。
シェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』が原作になっています。
女好きで、大酒飲みで、しかしどこか憎めない巨漢のファルスタッフが、口説いた女性たち(人妻)に懲らしめられる、というお話。
現代ならハラスメントとしか思えない言動もあるのですが(困)、最後には「この世はすべて冗談」と言って、皆で笑って終わります。
あまり上演されないオペラなのに、立て続けに2本も観る機会があるとは~!
12月になりました。
昨晩は、大学時代の友人に誘われて、千代田区の「長唄のてほどき」に参加してみました。
現在の私は、モーツァルト先生の音楽とキャスティングに苦戦しており、逃避(?)で「長唄」に申し込んでしまったのですが、これはこれで奥が深そう(汗)
初回は「日本音楽の流れ」や「三味線音楽の種類」について学ぶ座学。
参加者はみんな熱心に耳を傾けています。
三味線音楽って、こんなに種類があるんだ・・・。
清元とか、常磐津とか、長唄とか、実際にCDで聴かせてもらって、その差を教えていただいたのですが、演者による差のほうが激しくて、ジャンルによる差は私にはイマイチわからなかった・・・。
視覚的には、三味線の大きさ(棹の太さ)、見台(いわゆる譜面台)の種類、舞台上の配置などでわかるそうです。
譜面はもともとは無くて、口頭伝承だったようです。
お囃子の中の篠笛ですが、歌い手や語り手の声域に合わせて、半音違いで多数用意しておく、というのも衝撃的でした。
確かに移調するよりは合理的かも・・・(謎)
縄文時代から続く、長い長い日本音楽の歴史の中では、西洋音楽が入ってきたのはつい最近、ということになります。
我々の祖先は、複雑な音楽を楽譜も無しに、そしてかなり自由に楽しみ、伝承してきたのでしょう。
そう考えると、譜面という共通認識ツールがあるのなら、ずっと勉強しやすいはず。
師走のひととき、粋な長唄を聴きながら、頭の中をぐるぐる回ったのは、なぜかモーツァルト先生のことでした。
日曜日は「東京香川県人会」に行ってきました。
この会は、香川県の出身者だけでなく、仕事や学校などで香川県に住んだことがある人も参加できる会だそうです。
私は、高校の先輩から紹介されて、初めて参加してみました。
行ってみると、東京プリンスホテルの大きな会場に、すでに500人以上の人達が集まっている!
今回は第100回記念(驚)
また、事前には知らされていなかったのですが、高円宮妃久子殿下がいらしているということもあって、大変盛り上がった会になりました。
妃殿下はユーモアがあり、とても素敵な方で、入退場されるときには、会場は総立ちで拍手!
香川県の旧家のご出身だということです。
当日のプログラムは、香川県の若手音楽家によるコンサート、事業の決算報告、高円宮妃殿下のお話、来賓の祝辞の後、綾南の獅子舞、香川県の物産品の抽選会、といった内容で進んでいきました。
抽選会は当たらなかったけれど(笑)、帰りにお土産をたくさんいただいたので充分です!
「さぬきうどん」とか「しょうゆ豆」とか「おいでまい(お米)」とか「希少糖」とか・・・。
・・・皆さま、全部ご存知?(笑)
私はこの日は着物で、臙脂色の大島紬に、栗繭の八寸帯にしました。(※鏡に映ったのを撮ったので、左右は逆になっています)
袷で気持ち良く外出できる気候でした。
メトリポリタン・オペラのライブ・ビューイング、今シーズンはアンナ・ネトレプコがタイトルロールを歌う『アイーダ』でスタートです。
もっと若いころは軽い声の役も歌っていたネトレプコ嬢ですが、今ではすっかりドラマティック・ソプラノに。
ここまで声の変遷を遂げて、なおかつ世界の第一線で活躍し続けている人も珍しいのではないでしょうか。
どの歌唱もひたすら感動しましたが、特に素晴らしいと思ったのは、第3幕のアリア「おお、わが故郷」。絶望したアイーダが、祖国への愛を歌うロマンツァです。
このアリアはめちゃめちゃ難しい。第1幕の「勝ちて帰れ」より難しいと私は思います。ネトレプコは迫力のある歌唱も得意ですが、こんな繊細な表現も完璧なんだと、うるうるしながら聴いていました。
幕間のインタビューでは、この役(アイーダ役)をやるのに必要なのは「技術と度胸」だとおっしゃっていました。
ライブ・ビューイングは、幕間のインタビューとか、制作裏話とか、メトの歴史とか、情報が詰まっていて飽きさせないので、トイレに行く時間も惜しい感じです(笑)
アムネリス役のアニータ・ラチヴェリシュヴィリ(メゾ)の声は初めて聴きましたが、ネトレプコにひけをとらない素晴らしい歌唱で、これからこのコンビがたびたび観られることになるだろうなと思いました。
ライブ・ビューイングの『アイーダ』はとても良かったけれど、これだけ大掛かりなオペラはやっぱり生の舞台で観たいよね、とちょっと思いました。
いつか行けるのかなあ。
昨日は、ホテル雅叙園東京のイベント「いけばな×百段階段」に行ってきました。
夏の「和のあかり」に続き、百段階段は2回目の訪問です。
「和のあかり」で階段に寝かされていたこけしたちは、どこかにしまわれて・・・。
ここは、もともとの室内装飾自体が大変豪華。
それだけでも充分見応えがあるのですが、加えて今回の展示は、秋の花たちが芳醇で濃厚な色彩を放っている!
見ているだけで、とても贅沢な気分にさせてくれます。
大小いろいろなお花の宇宙があったのですが、それぞれに独自の世界観があり、細かいところまで凝っているなあと思いました。
外国人のお客様も多くて、その方々がいけばなに見入っている姿には、日本人としてはちょっと誇らしい。
先月、ぼんやりと本屋をさまよっている時、稲垣えみ子さんの「もうレシピ本はいらない」が目につきました。レシピ本はいらない、って言っているのに、レシピ本のコーナーに置いてある!(謎)
この方の「魂の退社」は、以前友達に借りて読んだことがありました。なかなか豪快な人だ。
「もうレシピ本はいらない」の中で稲垣さんは、ぬか漬けを作ったり、野菜を干したりしています。こういうことは料理のレベルの高い人のすることだと思っていましたが、むしろ逆だと書いてある。
なら、私にもできるかも。
全部は鵜呑みにはできないにしろ、面白そうだなと思う。
私は、自分でぬか床を作ったりというようなことはしないので!(苦笑)、京都の料亭からぬか床を取り寄せることにし、とりあえずキュウリやらニンジンやらを埋めてみました。
すごい。
さすがに京都の料亭のぬか床は美味しい。
アスパラガスやエリンギを浅漬けにするのも、予想以上に楽しい。
友人の話だと果物なんかもできるらしい。
塩分取り過ぎにならないようにしなくちゃ。
「どうせそのうち飽きるに違いない」と周囲からは言われつつ、ぬか漬けで遊んでいる間に体調が少しずつ戻り、出かけられなかった演奏会にも行けるようになってきました。
そして今度は、アマゾンで、キャンプの時に食器を乾かしたりするハンギングネットを購入。
エノキダケとニンジンを干してみました。
半日くらい干しておくと、なかなか良い感じに干からびたので、味噌汁に入れてみる。
味が凝縮されて、ニンジンなどはほんのりと甘くなっていました。
私はいったい何をしているのだろうか、とは思うのですが、こうやっているうちにいつものように歌える状態が戻ってくれば良いな、と思っています。
10月上旬の「きものサローネ2018」で発注した半幅帯が送られてきました!
京都・西陣の田中伝さんのところで仕立てていただいた、リバーシブル半幅帯です。
300種類以上ある柄の中からオーダーすることができ、長さ440センチの長尺なので、ちょっと太めの私でも(汗)変わり結びをすることができる(はず)。
黒いかっこいい箱に入って送られてきた。
グリーン系のバティック(BATIK)柄と、ベージュ系の格子柄にしてもらいました~。
田中伝さんのところはインドネシアの展示会にも出展しているらしく、素敵なBATIK柄がたくさんありましたが、今回はこのグリーン系にしてみました。
この日、私は臙脂色の大島紬を着ていましたので、試しに締めてみたところ、こんな感じ。(※鏡に映ったのを撮ったので、左右は逆になっています)
結びやすいし、木綿や紬に合わせやすそう。
次の美術展は、サントリー美術館「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」です。
仏像の他に、屏風や日記も多数展示されていて、充実の内容でした。
入っていくとまず、ポスターにもなっている如意輪観音坐像が!
美しいフォルムと、なんともいえない癒しモードの表情にうっとり。
オーラがあるというか、いつまでもそばに居たいような、素敵なお姿でした。
ですが、ここにばかり居るわけにもいかないので、先に進みます。
屏風や曼荼羅図もどんどん見て、快慶作の不動明王坐像です。
そんなに大きな仏像ではありませんが、精緻な作りで、細かい表情もよくわかります。
快慶作のお不動様は、思ったより優しげで、ダメな庶民も救済してくれそうでした。
続いての五大明王像のお部屋は、偶然なのか背景が紅白で、おめでたい感じになっていました。
ウルトラの星から来たのではないかと思わせる、ぎょろりとした目の張り出し。
すらりと伸びた手足も、その当時の日本人をモデルにしたとは考えにくい。
大威徳明王さまだけは水牛に乗っているのですが、その水牛も、ちょっとその辺では見ないような変わった感じの牛でした。
この牛もウルトラの星から連れてきたのかも。
ホールには、薬師如来像と両脇侍像(日光・月光菩薩)。
かなり大きな仏像で、迫力があります。
運ぶの、大変だっただろうな。
三像の後ろには、緑色の紗幕が掛かっているのですが、仏像の色とも調和してオシャレ。
こういう展示の仕方も、サントリー美術館はセンスがあります。
会場の壁には、アクリルケース(?)に入った桜の花びらが、ところどころに埋め込まれていて、なんだろうと思っていたら、住友林業さんが作った、豊臣秀吉ゆかりのしだれ桜のクローンでした。
ここにきて、まさかの現代テクノロジー。
「醍醐の花見」では、この桜吹雪が舞う中を、晩年の秀吉が栄華を誇り、宴をしたのでしょうか。
しかしその半年後には、秀吉はこの世を去っているのです。
なんと儚い夢でしょう。
醍醐寺の美術展はバラエティに富んでいて、それがセンスよく配置してあり、落ち着いた展示会だと思いました。
この展示会も全期(~10/15)と後記(10/17~)で展示替えをするそうなので、もう一度足を運びたいと思います。
昨年の秋は、ひたすら徳島の家の片づけをしていました。
今年の秋は、時間ができる予定だったので、京都か奈良に行こうと妄想していたのに、風邪が長引いてしまい、断念・・・。
定期的に古い建造物を見ないと禁断症状が出る私は、東京で開催されている仏像展を見に行くことにしました。
まず、上野の東京国立博物館でやっている「京都大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展。
秘仏本尊の釈迦如来坐像と、快慶作の十大弟子立像、定慶作の六観音菩薩像などが東京にいらしています。
御本尊様まで東京に来ちゃって、京都のお寺は大丈夫なのかしら・・・。
ホームページを見ると、釈迦の十大弟子の「みほとけ総選挙」なるものが行われていて、私はちょっとひいちゃったのですが(汗)、会場に来てみると、至って真面目な展示。
素敵な鎌倉彫刻にわくわくします。
釈迦如来坐像と十大弟子立像がひとつの部屋に展示されていて、しかも360度ぐるぐる見られるのも、実際のお寺ではできないことだと思いました。普通は仏像は正面から拝むものなので、恐縮しましたが、せっかくの機会なので後ろからもジロジロ見せていただきました。
特に快慶作の十大弟子立像は、それぞれのキャラクターが立っていて、細部まで楽しめるのでオススメ。
お隣の部屋の六観音像は、どの観音様も美しくて壮観でした。
聖観音さまだけはなんと撮影可能。恐縮しましたが、せっかくの機会なので撮影させていただきました。
六観音像は、会期前半(~10/28)は光背をつけたお姿で、会期後半(10/30~)は光背を取り外したお姿で展示するのだそう。
私は、光背の透かし彫りが好物なので、前半に来て良かったです。
展示内容自体はそんなに多くはないので、割と短時間で見られましたが、なかなか攻めている感じの仏像展だと思いました。
体調がなかなか戻らず、どこにも行く気にならない私でしたが、少しずつ快復してきまして・・・。
受け身のイベントには参加できるようになりました。
連休には「きものサローネin日本橋」に行ってきました。
9月の同期会で何十年かぶりに再会した、昔の会社の同僚に教えてもらって。
10月5日~7日の3日間、YUITO日本橋室町で行われた、ファッション&カルチャーイベントで、きもの関係のイベントとしては割と大きなものです。
全国のきもの産地の方々、問屋さんや小売店さんが、100社以上出店していました。
同僚の話によると「見るだけでもOK。押し売りされないし、話も聞けるよ~」ということだったので、安心して(?)会場へ。
入るとまず目に付くのが、きもの100体コーディネイト。
出店者によって思い思いの着付けがトルソーに施されているのですが、それが実にバラエティに富んでいる。
面白かったし、参考にもなりました。
映画「日日是好日」の中で樹木希林さんが着たコーディネイトも展示されていて、渋くてステキでしたね~。
会場のブースには、個性豊かな着物や帯、着付け小物なんかが並んでいて、中には私の知らないアイディア小物みたいなアイテムもあり、ぐるぐる回って楽しみました。
お祭りの屋台を回っている気分。
この「きものサローネ」では、伝統的で高価なものというよりは、今の時代に合っているものというか、現代ならではの着物の着方やコーディネイトが提案されていました。
産地の伝統工芸を多くの人に知ってもらい、そして守っていくための、ひとつの方法ですね。
私は、小物と足袋を少し買い足し、西陣の帯屋さんにリバーシブルの半幅帯を発注しました。
結局買い物しちゃったよ~(笑)
半幅帯は普段着にする帯ですが、なかなか気に入ったものがないし、ネットだと質感がよくわからなくて。
実際に見て、表と裏の柄を、お店の人と相談しながら決められるのは嬉しい。
300種類以上もあるという柄の中から、今回は2柄を厳選。
・・・実は、パッと見て決めちゃったんですけれどね(笑)
出来上がってきたら、また報告しますね。
今年の夏あちこちに着て行った小千谷縮。
スボン用のネットに入れてくるくる丸め→洗濯機のドライコースで静かに回し→ゆる~く脱水して→着物用ハンガーで形を整えてお風呂場で干したら
・・・さっぱりとキレイになりました!
小千谷縮は麻の着物。
もともとシボがある生地なので、アイロンがけも必要なし。
夏は汗をたくさんかいたので、自分で洗えると気持ちが良い。
夏の着物は、しばしお休みだなあ。来年の初夏まで。
風邪が治りきらず、17日の本番をとうとうキャンセルすることになってしまいました(涙)
自分が出るはずだったコンサートを客席で聴くのは、つらい。
いたたれない。
でも、せっかく来てくださったお客様に、ご挨拶だけでもできた。
新しい人とも知り合えた。
客席で皆の歌を聴くこともできた。
歌えること、表現できること、舞台に立てること、は特別なことなんだと思う。
聴くのも勉強になったけれど、やはり私は歌いたかった。
この日いろいろ考えたことを忘れないようにしなければ。
ちょっと重めの風邪をひきました。
このところ疲労が澱(おり)のように蓄積していて、コップの水が溢れるように限界まで達したのでしょう(涙)
身体中がバキバキに痛く、喉の痛み、発熱、鼻水、咳などが、まるでフルコースのごとく次々と提供され続け、症状が過ぎるのをひたすら待つだけでした。
現在は、療養しながら(?)会社に出ています。
まだ咳が残っています。ゴホゴホ。
数日間苦しかったけれど、
その後はものすごいデトックス感。
1年半ほど前に手に入れた、野口晴哉氏の著書「風邪の効用」には、「風邪は自然の健康法である。治すものではない。経過するものである」みたいなことが書かれていて、その独自の視点に目から鱗でした。
風邪は身体をリセットする、という内容も書いてあって、風邪をひくたびに落ち込んでいた私は、少し気持ちが楽になりました。
今回読み返そうと思ったのですが、風邪をひいている最中はふらふらで無理でした・・・。
予定をどんどんキャンセルせざるを得なくなり、せっかく涼しくなって動きやすくなったというのに、全く困ったもんですが、今はそういう流れなんでしょう。
ちょっと諦めモード。
9月2日は濃飛バスさんの定期観光バスで、「世界遺産 五箇山相倉と白川郷」コースを巡りました。
最初に向かったのは、五箇山相倉(あいのくら)です。
ここは富山県だそう。
途中の菅沼集落では、バスの中から合掌造りのお家を見て、期待が高まります。
わくわく。
そして、相倉集落では、写真や風景画でしか見たことのなかった合掌造りのお家に、ついに、入ることができました!
茅葺(かやぶき)屋根は、日本昔話に出てくるお家のよう。
囲炉裏にかかった鉄瓶から注いでくれるお茶は、なんともほんわりとして、身体に染み渡りました。
二階に上がっていくと、合掌造りの組み立てがよくわかるのですが、釘を一切使わずにこの屋根が出来上がっており、それがこの地域の気候にも合致しているのだということでした。
昔の人はすごいですよね。
相倉伝統産業館では、コキリコ節のビデオに合わせて、実際に演奏させてもらえました!
棒みたいなのが「コキリコ」、薄い板が連なったマッサージ器みたいなのが「ささら」だそうです。
音が出るものは何でも鳴らしてみたい私(笑)
「ささら」は手首のスナップをきかせることで、良い音が出るようです。
楽しい~。
次は、白川郷(岐阜県)に向かいました。
ランチは飛騨の郷土料理。朴葉味噌は必須ですね。硬めのお豆腐に乗せて食べるのが美味しかったので、自分でもやってみようかな。
天守閣展望台からは白川郷の合掌集落全体を見渡すことができ、「ここまで来られて良かったね~」と友人たちと喜び合いました。
白川郷でも合掌造りのお家をたくさん見せていただきました。
見学したお家は、昔お医者さんだったりお寺だったりと様々ですが、どのお家も屋根裏で養蚕をしていたみたい。
養蚕は大切な産業だったんですね。
着物は大切にしなきゃ。
白川八幡神社の境内にある「どぶろく祭のやかた」では、門外不出のどぶろくをいただきました。外に持ち出すことができないぶん、神様のお下がりをその場でいただいているという希少性があり、どぶろくも美味しく感じました。
合掌造りのお家をこのように保存していくのは、大変だろうなぁと思います。
高山もそうでしたが、五箇山も白川郷も外国の方が非常に多く、日本人が思う以上に有名なのでしょう。
季節を変えてまた来てみたいですね。
特に五箇山は風情があり、機会があれば泊まってみたいなと思いました。
この日はとても良いお天気になり、むしろ暑くて、日傘や帽子が手放せないぐらいの気候でした。
二日後に台風21号が来たことを考えると、奇跡のよう。
メンバーの中にいると思われる「晴れ女」に感謝!(笑)
ひとり旅も良いけれど、みんなで行く旅行も良いなぁ。
9月1日~2日は、週末を利用して、大学時代の友人たちと旅行に行ってきました。
「のぞみ」で名古屋へ行き、
「ひだ」のホームで東京組と関西組が合流して、みんなで高山へ。
「ひだ」には二時間半くらい乗りましたが、窓が大きくて景色も良いし、座席もゆったりしているので、のんびりと過ごせました。
高山ではまず「高山陣屋」へ。
「陣屋」は、江戸時代の御役所(代官所)だということですが、修理をしながら綺麗に保存されていて、まるでタイムスリップしたようでした。
こういう形で残っている代官所は、全国でもここだけなんですって。
途中で雨が降ってきました。
屋根をたたく雨音を聞きながら、静かに庭を眺めるのも一興。
薄暗い室内と、外の景色とのコントラストが鮮やかです。
「陣屋」の中は、迷子になるぐらい広々としていました。
どれがどこの部屋だかわからなくなりましたが・・・(笑)、そんな中、ちょっと面白いなと思ったことを3点ほど・・・。
①あちこちに「青海波」(せいがいは)。玄関を入った壁一面も、炉の灰も「青海波」でした。海の波を模した吉祥文様ですが、こういうところで見ると、とてもモダンです。
②「真向き兎」の釘隠(くぎかくし)。柱に打ち付けた釘の頭を隠す装飾金具ですが、このお屋敷は正面を向いたウサギのデザインでした。昔のお家は凝ってますな。
③通路の天井の板。現在でも修復中みたいで、薄い木の板がたくさん天井に嵌め込まれて、古いものと新しいものがモザイク模様のようになっていました。なんかテキトーに嵌めてあるみたいに見えたんですが、これで留まっているから良いんでしょうね。
「陣屋」は御役所ですからお白洲もありました。お白洲には割とごろごろした石がひいてあり、拷問用の道具なんかも展示されていて怖かったので、これは撮りませんでした(汗)
「陣屋」を出た後は、高山の古い町並みを散策しながら、「高山祭屋台会館」に向かいました。高山祭のときに実際に使用される屋台のいくつかが、常設展示されている場所で、「櫻山八幡宮」の境内の中にあります。
屋台は、まずその大きさに驚かされました。
しかもどれもかなり個性的!
(残念ながら撮影できませんでした)
装飾も豪華絢爛で、これでもかというくらい盛ってあり、高山祭での晴れ舞台をぜひ観てみたいと思いました。
宵祭りとか良さそう!
・・・でも、お祭りの時期は混んでるんだろうな~。
先日京都で途中下車したとき、祇園の「井澤屋」さんに寄ってみました。
井澤屋さんは和装小物のお店で、四条大橋の交差点近くにあり、大通りに面していてオープンな雰囲気。
何かのお師匠さんみたいな人や、着物姿が素敵な地元マダムもいらしているし、海外の観光客の方がちょっと良いお土産を買ったりもしています。
夏物がセールになっていたので、帯揚げを4枚購入。
私のような初心者が説明するのもなんですが、帯揚げとは、着物を着るときに帯枕を隠すために使う、装飾用の細長い布のことです。
最終的には帯の中にほとんど入ってしまいますから、何でも良いと言えば何でも良いような気もしますが・・・。
面積が小さくても意外と目立つものでもあるし、こういうところにもこだわるのが、日本のオシャレ道!
しかも、帯揚げは夏には夏専用のものがあり、袷用のものは使えないときている・・・(悩)
迷った挙句、なかなか渋い帯揚げが手に入りました!
このうち、深い赤のものは、先日のコンサートで着用しました。
どの色も大好きな色なのですが、早く使わないと、夏が終わってしまいますよね(笑)
目黒のホテル雅叙園で開催されている「和のあかり×百段階段2018」に行ってきました。
「和のあかり」というイベントは、ここ数年やっているようで、以前から素敵だなあと思っていたのですが、なかなか機会がなくて
・・・今年ついに念願が叶いました!
目黒から送迎バスがあったので、酷暑だし、坂道だし、着物だし、ということで、利用させていただきました。
中に入ると、ただでさえ豪華絢爛な百段階段に、日本全国津々浦々から集められた様々な光と色彩が充満しています!!
どの部屋もとても充実していて、このイベントの人気があるのがわかるような気がしました。
ものすごく綺麗でしたが、夏休み中の土曜日ということもあってか、ものすごく混んでいました(汗)
私が特に気に入ったのは、自然界の素材をうまく使った灯りで、神秘的で、とても心が癒され、ひとつひとつに見惚れました。
写真に撮りたいものが多すぎ!(笑)
また、会場のあちこちに「こけし」が象徴的に置いてあるのですが、百段階段の各段の右端にも、「こけし」が布団で寝かされていました。
なかなかシュールな光景です・・・。
雅叙園の中でお茶をしようとしたのですが、どこも混んでいたので、恵比寿に移動して、ハイボールと餃子。
22日は、伝承ホールで「作曲家二人展」でした。
現代音楽はあまり耳なじみがないのでは、と思っていましたが、私の予想よりたくさんのお客様がいらしていて、ちょっとびっくりしました。
舞台上にいても、客席のお客様が熱心に耳を傾けていらっしゃる様子は良く伝わってきて、とても嬉しかったです。
演奏者がみんな上手な方ばかりで、ご一緒させていただけたのも、嬉しい。
私は、夏ボケなのか、リハーサルの時間を間違えたり(→でもどうにか間に合った)、忘れ物をしたり(→これは後述)、落し物をしたり(→スタッフの方が拾ってくれた)、
・・・もう、どうしたの、っていう感じだったのですが、
温かい方々に支えられて、どうにか無事に本番を終えることができました(汗)
服部先生の、静かで幻想的な世界が、うまく伝えられていると良いなあ。
今回は、曲想から、ドレスじゃなくて夏着物で歌わせていただきました!
紫と薄いグレーのざっくりした縦縞模様の小千谷縮の着物に、
生成り色で植物のポイント柄のある麻八寸帯、
蘇芳というか深い赤の、帯揚げと帯締めです。
楽屋でいざ着付けをしようとしたら、なんと帯枕を忘れている・・・!(困)
これから渋谷のデパートの呉服売り場に買いに?と思っていたら、
お手伝いに来てくれていた大学時代の友人が、持っていたタオルと私の腰紐で、即席の帯枕をささっと作ってくれました!
ありがたや~。
面白い経験がまたひとつ増えました。
終演後のビールが美味しかった!
先日の帰省からずっと玄関に置きっぱなしだったスーツケース、明日の本番に持っていくために準備しようとしたら・・・
なんと、キャスターの1個が見事に割れている!(泣)
きっと、灼熱の関西で酷使しまくったから壊れたのね。・・・シクシク。
ネットで調べてみると、修理してくれるところもあるみたいだし、ハンズなどで部品を買ってきて自分で直す方法、なんていうのも載っていました。
自分で直すのも面白そうだけど、ちょっとハードルが高いかな・・・。
新しいスーツケースを買うことも頭をよぎりましたが、とりあえず会社の近くの「リアット!」さんに相談してみることに。
靴やカバンを修理してくれるお店です。
すると、表のメニューには出していないけれど、キャスター1個につき2,500円(税別)で直してくれる、とのことだったので、特に負荷のかかる2個を取り換えてもらうことにしました。
最近部品が手に入ったので、やり始めたんだそう。
すべての店舗でやっているわけではないみたいですから、直してくれるお店で良かった。
明日の本番は、久々にボストンバックに衣装を詰めていこう。
一昨日は国際芸術連盟さんにおじゃましまして、8月22日のコンサートの伴奏合わせをしました。
私が歌うのは、高田敏子の詩による三つの歌「白い花」「夜道」「すすきの原」(作曲は国際芸術連盟の服部和彦会長)。
どの曲も、現実のことだか幻だかはっきりわからないような、不思議な世界・・・。
この世とあの世をつなぐ、今の時期にぴったりではないでしょうか。
中でも私は「夜道」が特に好きで、そうお話しすると、服部会長も「夜道」が気に入っている、とのことでした。
「今夜 坊やはなぜ寝ないのでしょう 夜道を帰る私の前を行く お母さんのひとりごと」
で始まるのですが、しんとした田舎道を、おそらく他の人は誰もいなくて、「私」と「お母さん」だけが歩いていく。
その道はどこに続いているのだろう。
空を見上げている「坊や」は「お母さん」に抱かれているのか、背負われているのか。
こんな夜更けに、「坊や」には何が見えているのだろう。
そもそも、これは現代なのか、それとも過去の時代の話なのだろうか。
調を持たない音の進行は、この若干ホラーな状況にとてもマッチしていて、どのように表現したらこの世界観をうまく伝えられるだろうかと考えてみる。
現代歌曲は、作曲の先生から直接アドバイスをいただけるので、勉強になります。
衣装は曲想を踏まえて提案させていただき、いろいろと打ち合わせもできました。
徳島からの帰りは、京都で途中下車し、定期観光バスの特別コースに乗ってみました。
私が参加したのは
「~明治維新150年記念~幕末維新の志士たちゆかりの地をたずねて」
っていうコースです。
なんせ、この暑さですから、行きたい場所と合致していれば、観光バスは嬉しい。
烏丸口で集合し、「幕末維新ミュージアム霊山歴史館」→「御香宮神社」(伏見)→清和荘でお食事→「角屋」(旧花街・島原)→「輪違屋」(旧花街・島原)という順で回りました。
幕末維新ミュージアム霊山歴史館は、高台寺の近くにあります。
坂本龍馬を斬った刀、とか、西郷隆盛が自刃したときに介錯した刀、とかがさらっと展示されていて、見ているだけでザワザワします・・・。
御香宮神社は、鳥羽伏見の戦いで薩摩藩の屯所となった神社。昔はいろいろあったのかもしれませんが、今は清らかな水の湧き出る静かな場所になっています。
「御香水」を飲むことができました。
ランチは伏見の清和荘。夏の味覚をコンパクトに詰め込んだ、美味しい京料理でした。
バスで一緒になった上品な老婦人は、定期観光バスを良く利用されているとのこと。「お食事が良いのよ~」とおっしゃっていました。確かに。
特別公開の「角屋」は旧花街・島原にありました。京都にも島原っていうところがあるんですね。角屋は揚屋といって、今でいう高級料亭のような接待場だそうです。新撰組も利用していたそうで、芹沢鴨(新撰組の初代局長)が暗殺された日、直前にここの松の間で宴席があった、というような話も聞きました。
同じく特別公開の「輪違屋」も、「角屋」からすぐのところにありました。輪違屋さんは現存する置屋さんで、大夫さんも在籍しているそうです。
階段の手すりはさるすべりの木で、使い込まれてつるつる。
二階の「傘の間」は、ふすまに道中傘が貼り込んであり、なかなかのインパクトでした(二階は撮影禁止)。
このふすまは「京の夏の旅」のパンフレットの表紙にもなっています。
このような古い木造家屋は風情がありますが、維持するのは大変だろうな、としみじみ思う私・・・。
「西郷どん」を毎週楽しみにしている者としては、幕末維新に思いを馳せる良い機会となりました。
週末は大阪でした。
日曜日の昼間を観光にあてられることになり、さてどうしようかと。
迷ったあげく、行き先を大坂城に設定しました。
初めて来たとばかり思っていたのですが、小学校時代の同級生から
「修学旅行で来たはずだ」
とのコメントが。
そうだったかなぁ・・・。
ていうか、私は小さいころ大阪に住んでいたんじゃ・・・。
こどもだったし、街の記憶なんて全く無いのですが。
さて、JRの大阪城公園駅で降り、15分ほど(もっとか?)歩くと、だんだん近づいてくる大阪城。
遠くから見ても、近くから見ても、カッコいいお城です。
特に石垣が素敵。
しかし、今私たちが見ている大阪城天守閣は、豊臣秀吉が建てた物でも、江戸幕府が建て直した物でもないらしい。
運命に翻弄されながら、何度も消失し、再建を繰り返した城・・・。
5階まではエレベーターで行けるのですが、長蛇の列だったので、最上階(8階)まで階段を上りました。どんどん上ったら、
・・・汗だくになりました。
が、そのぶん最上階からの眺めは清々しい。
NHK大阪放送局も見える。金の鯱(しゃちほこ)が天守閣を守っている。
8階と1階にはオリジナルグッズを売るお土産物屋があり、観光地化していましたが、撮影禁止エリアの3階4階には、貴重な書簡や人物画などが展示されていました。
全体的にとにかく外国の方々が多くて、混雑していました。
この期間は、西の丸公園のほうで櫓(やぐら)の特別公開もされており、多聞櫓・千貫櫓・焔硝蔵の内部を見ることができました。
櫓は、第二次世界大戦でも焼失せずに古い時代の物が残っており、こちらのほうは人も少なく、しみじみとゆっくり内部を眺めることができました。
ランチはミライザ大阪城のイタリアンをいただきました。
ここがなかなか素敵な洋館で、見かけよりずっとリーズナブルで美味しかったです。
この建物は、もともとは陸軍第四師団司令部庁舎だったのが、大阪市立博物館になり、今はレストランや結婚式場になっているようです。
大阪城付近がかつて荒々しい動乱の舞台だったということに思いを馳せると、とても不思議な気がしました。
先週、前田勝則さんのピアノ・リサイタルが、西早稲田のトーキョーコンサーツ・ラボでありました。
このコンサート会場、初めて来ましたが、ちょっとレトロな感じでなかなか趣があります。
自分でも何かで借りられないだろうかとすぐ妄想してしまう私。
この日のプログラムは、前半はドビュッシー、後半はラヴェルと三善晃のピアノ・ソナタでした。
夏の宵のフランス音楽は良いです。
前田先生のスタイリッシュな演奏と、淡々とした面白トークで、時間はあっという間に過ぎていきました。
三善晃のピアノ・ソナタは現代曲ですが、なんだかすごかったです。
これは相当の技術がないと弾けない曲だと思いました。
聴いていると、足元から何かが満ちてくるような、不思議な感覚がありました。
アンコールの最後は、ドビュッシーの「月の光」。
この曲を聴くと、静かに心が落ち着き、子どものころを思い出します。
リサイタルが終わって外に出ると、空にはちょうど半月くらいの明るい月が出ていて、演奏会がまだ続いているような気がしました。
連休に友人宅で「着付け練習会」(仮)をしました。
練習会が終わったら解散、の予定だったのですが、友人が
「新聞の折り込みチラシに、六本木ミッドタウンのイベントが載っていた。行ってみたい。」
と言うではありませんか。
ミッドタウン奥の芝生広場に、色とりどりのデジタルアートが映し出されるというイベントらしい。
開催期間は7月13日~8月26日で、始まったばかり。
夕刻、出かけることになりました。
それにしても、この日はめちゃくちゃ暑かった。
そして、夏の着物というのは、見ているぶんには涼しそうで、日本の情緒を感じさせるのですが、着ているほうは暑いんですね~(笑)
でも、涼しそうに着ないと!
「光と霧のデジタルアート庭園」は、庭石のようでもあり、花火のようでもあり。
日本の夏のエッセンスを現代アートで表現した、幻想的な空間です。
刻々と変化するので、見ていて飽きません。
たくさん霧が出ているので、いくぶんか涼しく、着物が少ししっとりしました~。
7月7日土曜日は、年に一度の高校の大同窓会で、グランドプリンス新高輪へ。
所用あり、もたもたしていましたら、着いたらもう終わりかけていました(汗)
いつもは1,000人を超えて集まっているそうですが、今年は1,000人に少し届かなかったという報告がありました。
それでも充分すごいですけれどね。
今年は平成最後の玉翠会総会か~。
来年はなんていう年号になるんだろう。
二次会は同期だけで品川のスペインバルです。
楽しく飲んでいたら・・・途中で地震!!
暑かったので、最初は自分のめまいかと思いました。
日本のどこにいても、いつ何があるかわかりませんね・・・。
この日は、この夏に仕立てた小千谷縮を、自分で着付けて出かけてみました。
同級生から「おかみさん」とか呼ばれて、なかなか好評(笑)
着付けは、5月までは自己流でやっていたのですが、6月に着付け教室で教えてもらい、名古屋帯がどうにか結べるようになりました!
そんなに素晴らしい出来でなくても、自分で着付けられるようになると、着物での外出が楽しくなります。
小千谷縮は麻なので、そんなに着崩れないし、値段もそんなに高くないので、初心者が浴衣の次に挑戦する夏の着物としては良いのではないでしょうか。
蝶々夫人の練習の前に着付けを勉強しておけば良かったかなあ、とは思うのですが。
「今日が、これからの人生で一番若い日」と自分に言い聞かせて、がんばるぞ(笑)
このあいだ、三菱一号館美術館のサポーター会員になっている友人に連れられて、「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界-1780年パリに始まるエスプリ」を観に行ってまいりました。
今回は宝飾品です。
・・・といっても、材料費とかそういう細かいことは度外視の、皇帝や貴族からの特注品!
「これは買ったら幾らくらいするのか?」などという中途半端な気持ちが吹き飛ぶような展示でした。
純粋に、目の保養として、そして教養として、楽しめます。
吸い込まれそうな輝きに満ち満ちた、宝飾品にうっとり。
デザインにもコンセプトがあり、良き時代のパリに思いを馳せることができます。
音声ガイドの谷原章介さんの声も、心地いい。
ひとつひとつにも魅了されたのですが、全体の展示の仕方に、驚きとストーリー性を感じました。
特に、サロンで選ぶ時のティアラのサンプルがずらーっと並んでいるお部屋は、壮観。
どのティアラも素敵でしたが、ひとつだけ選ぶとしたら、今回の展示会のシンボルにもなっている「麦の穂のティアラ」が欲しいかな(笑)
これを発注していた、ナポレオンの皇妃ジョゼフィーヌは、センスの良い人だったんでしょうなあ(遠い目)
新国立劇場の『トスカ』、初日に観に行ってきました。
トスカ役は、この役を世界のあちこちで歌ってキャリアを重ねている、キャサリン・ネーグルスタッドです。
スケールの大きな歌唱は圧倒的で、オケがどんなにガンガン鳴らしても、それを飛び越えてくる声は流石でした。
他の配役も良くて、バランスが取れていたし、美術や舞台セットも綺麗でした。
トスカはこういうオーソドックスなセットじゃないと。
1幕終盤のテ・デウムも、今回は胸に迫り来るものがありました。
私の中でトスカの解釈が進んだせいなのかもしれませんが。
個人的には、スカルピア役のバリトン、クラウディオ・スグーラに大注目です。
他の役でも見たいと思いました。
オペラグラスも使って、隅から隅までガン見しました。
勉強のためと言いつつ、とにかく一生懸命見ました。
2幕終了後に客席から急病人が出て搬送されるというアクシデントがありましたが、主催側から説明もあり、その方も助かったようで、会場内は温かい一体感に包まれました。
初日は大成功だったと思います。
新国立劇場は20周年を迎えたのですね!
オペラが、これからも老若男女にとって、心躍る芸術でありますように。
先日は虎ノ門の金刀比羅宮に寄ってきました。
金刀比羅宮はご存じのように「こんぴらさん」と呼ばれていて、総本宮は香川県にあり、それはそれは長い長い階段を登って参拝しないといけないのですが(汗)、
ここ虎ノ門の金刀比羅宮は階段も無く、近代的なビルと融合していて、とってもスタイリッシュ。
手水舎もセンサーで管理されていて、柄杓を取ると水が出てくる仕組みになっています。
そんな中、ここの銅鳥居に関しましては、江戸時代の物がそのまま残っているようで、これが珍しい作りなんです。
鳥居の柱に、四方位を司る霊獣の彫刻があり、向かって左側に青龍と玄武、右側に朱雀と白虎。
結界を示す鳥居に、さらに四神がいるという、守備力の強化ぶり。
二百年くらい前の人も、この鳥居をくぐっていたんですかね。
当時も人気の神社だったんだろうなあ(浮世絵に残っているそうです)。
せっかくなので、近くを少し回りましたが、高層ビルがあちこち建設中で、再開発が進んでいる様子でした。
古いものと新しいものが混在している街。
虎ノ門ヒルズの庭で、ひざをかかえて座っている、白い文字で出来た大きな人。
何を見つめているのだろう。
まず、友人からの情報で、フリットリが日本に来られなくなったことを知りました。
えーー。
プロダクションのWebサイトを見ると、確かに
「レオノーラ役として出演予定だったバルバラ・フリットリは、気管支炎悪化の為来日が不可能となりました。ご理解賜りますようお願い申し上げます」
というお知らせが。
ガーン・・・。
「スケジュールの都合で、今年は日本でのマスター・クラスはできない」とは聞いていましたが、せめて舞台の上だけでもフリットリのレオノーラが観たかった・・・。
昨夏にマスター・クラスでお会いしたとき、今年『イル・トロヴァトーレ』で来日することをとても嬉しそうに教えてくれたフリットリ。
DVDで何度も何度も観たフリットリのレオノーラを、ついに生で観ることができる、と私も楽しみにしていたのですが。
あれほどのプロがどんなに気を付けていてもどうにもならないことがあるんだな、と思うと同時に、生の舞台の大変さ、その貴重さを、改めて感じました。
今回は養生され、またいつか聴かせていただけますように!
・・・とはいえ、昨日はテンションが下がりすぎて、なんとオペラに大遅刻してしまうという失態。
ほんと、もったいない・・・。
場面転換のタイミングで入れてもらえるので、待っている間にトイレに行ったところ、昨夏のマスター・クラスでご一緒したカオリさんとばったり!
もしかしたら、もやもやした気持ちを吹き飛ばすために、神様が会わせてくれた?
終演後は、オペラ談義をしながらの、思いがけず楽しい中華料理の夕食会となりました。
いろいろ思うところはありましたが、やはり生の舞台は面白く、日本に居ながらにしてイタリアの歌劇場の音楽に触れる機会は贅沢です。
何よりも、ヴェルディの『イル・トロヴァトーレ』というオペラは音楽が素晴らしい、と再認識しました。
先日、品川の下駄屋「丸屋履物店」さんで、下駄を買いました!
黒塗り(黒捌き)の舟形の台に、白に縞の入った花緒をすげていただきました。
舟形の台は入荷したばかりだそう。
丸屋さんでは、まず台を選び、次に花緒を選んで、それから足に合わせて調整してもらいます。
台にもいろいろ種類がありますが、花緒はもっと種類があるので、迷う!
・・・迷うのも楽しみのひとつですね。
ちょっと粋なおねえさんみたいな下駄が出来上がりまして、履くのが楽しみ。
白足袋を履いて夏着物でも、裸足に浴衣でもいけそう。
どこかに出掛けないと。
こちらに来る途中に、品川神社に立ち寄りました。
境内入り口の急な階段の前に石鳥居がありまして、左右の柱には龍が彫られておりました。珍しいな、と思ったら、「双龍鳥居」といって、東京には3つしかないそうです。
品川神社には「金運アップ」のご利益のある「一粒萬倍の泉」もあるそうなんですが、夕方5時を過ぎると閉まっていて、中を見ることはできませんでした・・・。残念。
5月半ばのオペラが終わってから半月、すっかり燃え尽きてしまった私は(笑)、ずっと霧の中で生活していたようでした。
後片付けや事務処理も思ったように進まず。
足の指は、おかげさまで快方に向かっています。
どうやら粉砕骨折っぽくなっていたようで、レントゲンを見たら何本も骨折線が入っていました。
見ているだけで痛い。
よく本番ができたなあ、と感慨深いのですが、あのころの私は毎日アドレナリンが出ていたのか(?)、そんなに痛くなかったのです。
『蝶々夫人』の映像サンプルをいただきましたので、昨日観ました。
「ここをこうしたら良かった」という反省点や悔しさもありますが、「今の私ができる範囲のことはやった」という達成感や感謝のほうが大きいです。
ドキドキしましたが、一気に全部観てしまいました。
たとえば、悲しみを伝えるときに、当人がいかにうまく芝居するかはもちろんですが、周りの演技によって、それがよりリアルに伝わるのだな、と改めて感じました。
オペラはやっぱりチームワークだなあと。
何かに夢中になれる日々は貴重です。
稽古も本番もなかなか大変でしたが、あの時間、あの空間がとても愛おしく、懐かしく、
あの場所にもう一度帰りたいような気がするのです。
今日から6月。
会社の行き帰りに見るクチナシの花が開き始め、ほのかに甘い香りがただよっています。
初夏を感じる、大好きな香りです。
まだ疲れているし・・・『ルイザ・ミラー』は前に観たときピンとこなかったから・・・などと、理由をつけてぐずぐず行かないでいたら、友人から強く勧めるメッセージが!(笑)
東銀座まで観に行ってきましたよ~。
結果、これは無理して行って、良かったです!!
特にヴェルディ好きは行ったほうが良い。
このところお父さん役がすっかり板についてきたプラシド・ドミンゴ様が、ルイザの父で退役軍人のミラー役に。
注目の若手ソプラノ、ソニア・ヨンチェヴァが、タイトル・ロールのルイザ役に。
なんでも歌えちゃうピョートル・ベチャワが、ルイザの恋人ロドルフォ役に。
さすが、豪華~。
出演者も言っていましたが、1幕はドニゼッティ風、2幕は無伴奏の重唱が珍しくて(でも難しそう)、3幕は『オテロ』みたいでドラマティック。
そして周りを固める悪役が、みんななんとも上手い。
ヴルム役のディミトリ・ベロセルスキーがルイザを追い詰める2幕冒頭なんて、わくわくしました。
私はいったい誰の味方なんだ(笑)
ドミンゴ様は40年前にロドルフォ役を歌って大喝采だったらしい。
そして今回はミラー役で圧倒的な歌唱と存在感。
年齢を重ねてなお進化し続けるドミンゴ様は、オペラ界の宝だと思う。
『ルイザ・ミラー』ちょっとマイナーだけど、こんなに良いオペラだったかと再認識。
開演前の舞台袖。
この白い打掛は、京王百貨店の貸衣装処分市で2月に手に入れた物です!
打掛の下に着ている白い着物(掛下)は、友人の岩国のご実家に、長い間眠っていた物。
別々のところにあったのに、柄もピッタリで、まるで一揃いだったように集まってきた!
不思議~。
子ども役が持っていた星条旗は、直前に見つけた新宿の旗屋さんで買った物。
ボンゾの数珠や輪袈裟は、私の伯父の物。
今回は原宿のオリエンタルバザーや浅草にも足を運びました。
日本髪は初挑戦でしたが、思いのほか似合っていた(!)ようで、スズキ役の吉山博子さんともども、良い思い出になりました。
いろいろ大変なこともあったけれど、人にも物にも恵まれた、幸せな公演だったと思います。
『蝶々夫人』は悲しいお話です。
当時の社会情勢としては仕方のない面もあるだろうけれど、見終わった後はいつも居たたまれない気持ちになりました・・・。
でも、プッチーニの音楽はあまりにも美しい!!
散りばめられている日本の音楽のモチーフは、あの時代にどうやって手に入れたのだろうか、と思う。
何度か稽古するうちに『蝶々夫人』をだんだん客観視することができるようになりました。
この名作をどうにかうまく伝えたい、という気持ちが強くなり。
ところで、
舞台ではみんな真剣に演唱していましたが、舞台裏はこんな感じでした。
・・・って、こんな写真撮ったっけ?(汗)
今回は字幕担当の桑原さんにも和装でお願いしました。
伝承ホールの桟敷席で、文豪風。
かっこいい。
やはり着物は、日本人の民族衣装だなあ、としみじみ思うのでありました。
5月12日の良く晴れた土曜日、歌劇『蝶々夫人』が無事終演しました!
オペラは毎回、「出演者とスタッフの全員が当日無事に揃った時点で、8割成功」と思うのですが、今回は特にそうでした。
昨夏くらいから主要キャストで少しずつ稽古をしてきて、その間もいろいろなことがありましたが、なんと本番2週間前に私が足の指を骨折するという・・・(泣)
小道具やらチラシやらいっぱい詰まったスーツケースを、足に落としたんですね。
ホント、気を付けないと。
本番は、がっちりテーピングして臨みました。
本番の舞台には、伝承ホールからお借りした、一双の銀屏風。
演出の森朱美先生の発案で、座敷の四隅に置いた箱馬にも銀色の布をかけました。
柱のようでもあり、結界のようでもある。
ちょっとアンティークな椅子は、アメリカに帰って居なくなったピンカートンの象徴として、2幕から加わります。
森先生の舞台構成は、シンプルだけれどセンスが良く、初めて観るお客様にも内容がよく伝わるので、信頼してお任せしています。
赤い傘に白打掛で脇の入り口から登場したとき、「念願の蝶々さんを演じることができる」と思い、胸がいっぱいになりました。
「1幕では可愛らしく!」と周りからさんざん言われましたので、ピンカートンより偉そうにならないように頑張りましたが、どうだったかな~(笑)
2幕3幕と進むうちに、本当に我が子と別れなければならない母親のような気持ちになり、蝶々さんは歌いっぱなしの難役ではありますが、割とスムーズに歌い進めることができました。
細かい反省点はいろいろとありますが、ぐずぐず悩んでたら、舞台に上げてくださった神様に申し訳ない!
カーテンコールで草履が片方脱げてしまいました(笑)
白打掛の裾は、ナポリ風ピザの端っこみたいで、綿が入って厚くなっているため、前進は容易にできるのですが、後退が難しいのです。両手を指揮者さん、シャープレスさんとつないでいたため、身動き取れず(笑)
伝承ホールは和風の雰囲気なので、今回の演目にぴったりだったのではないかと思います。
お客様も楽しんでいただけたなら幸いです。
公演も今週末に迫りました。
あとはゲネプロと直し稽古で、その次は本番。
そう思うと、ちょっとさみしいような気もします。
大好きな、蝶々さん。
指揮者の福田光太郎さんは、今日までミュージカル「アニー」の指揮で、今日が千秋楽のはず。
明日お会いできるのが楽しみです。
今回は、ピアノの赤坂こずえさんのほかに、国内を飛び回って活躍している、ヴァイオリンの五十嵐彩子さんにも加わっていただけることになりました。
とっても素敵な音色(嬉)
字幕の桑原理一郎さんはゲーム音楽作曲家で、イベントが成功したばかり。
関わり方は様々だけど、オペラはたくさんの人の協力の上に成り立っているなあと。
連休中の練習風景の写真を撮っていただきました。
これは2幕の終わりのほうですね。
このときの蝶々さんは、ピンカートンに会えると思っているので、幸せ。
その前のステリハ時のオケ部隊の写真も。(ちょっと暗い?)
今回のオペラでは、歌やお芝居だけじゃなく、かけがえのない経験がいろいろできました。
本番はこれからなのに、総括しちゃってますが(笑)
4月28日は、母校の園遊会に友人と行ってまいりました。
緑の綺麗な校舎!
良いお天気で、空も青く、気持ちも晴れ晴れとします。
各方面に挨拶を済ませた後、ライシャワー館の近くで野点をやっているのを発見。
急遽お茶会に参加させていただきました。
お菓子は、校内の緑や花の色をイメージしたものだそう。
私は何も考えずに緑の着物を着ており、周りの緑に溶け込んでしまっています・・・。
「カメレオン色の着物」と呼ぶことにしました(笑)
寮の友人たちには出会えませんでしたが、思いがけず知り合いになれた方もいて、来て良かったなあと。
校内の花の写真をたくさん撮りました!
そんな母校も、4月30日には創立百周年を迎えたそうです。
母校には元気であってほしい。
このところ「普段でも、たまには着物で出かけられると良いなあ」と思い始め、なんと夏の着物を新調することにしました。
夏着物は初めてですが、自分でも洗えるように、小千谷縮にしてみました。
反物にひとめぼれ。
仕立て上がってくるのが楽しみです。
それまでには名古屋帯は結べるようにしないとね・・・(汗)
気に入った帯締めがあったので、購入しました。
そういえば、私が小学校のころに亡くなった祖母は、記憶している限りいつも着物の生活でした。伯母も、お茶やお花の行事がある時には、必ず着物で出かけていました。
母と私は洋服派で、私はそもそも着付けを自分でするという発想自体がなかったという・・・。
なので、昨年、徳島の古い家で発見された沢山の着物も、ほとんど親戚に譲ってしまうか、リサイクルに出したので、どんなものがあったかも正直覚えていません。
あのときは、古いモノを断舎利するのに必死でした。
徳島に帰るたびに、大量の荷物と格闘していました。
その反動からなのか、最近の『蝶々夫人』の影響なのかわかりませんが、今は何かを取り戻すように、神社仏閣や古い日本家屋を訪れたり、日本の伝統文化に触れたりしたいと思うようになりました。
古い日本家屋に足を踏み入れるたびに、後悔と郷愁で胸がいっぱいになりますが、
「管理された建物をときどき鑑賞するくらいが、私にはちょうど良いのだ」
と思うようにしています。
4月29日には藤原歌劇団の『ラ・チュネレントラ』が新百合ヶ丘であり、その休憩時間中に、私たちの『蝶々夫人』もチケット販売ブースが借りられることになりました。
ここはぜひ着物で行きたいところですが、
でもどうする?名古屋帯結び(汗)
祥月命日、とは亡くなった日と同じ日のことをいうらしい。
祖母と伯父の祥月命日が近く、仏壇に何かお供えしようと、このあいだデパ地下をうろうろしていたら、催事で四国のお菓子屋さんが来ていました。
愛媛のお菓子屋さんだけど、徳島にもあって、懐かしいお店。
偶然。だけど、どこかで何かがつながっているような気がして、お供え物はこれに決定。
ゆず餡の中に栗が入っている。
ちなみに、ここでいうタルトとは、カステラの生地で餡子を巻いた、見た目がロールケーキな和菓子。
江戸時代にポルトガルから伝わった、とも言われています。
これが食べたかったんだよね、きっと(笑)
春になったかと思うと、桜の花はあっという間に散ってしまい、4月になりました。
今年の満開の桜は短くて、ちょっとさみしかった。もっとゆっくり楽しみたかったですよね。
さて、5月の蝶々夫人に向けて、
チラシを配ったり、
打ち合わせをしたり、
立ち稽古をしたり、
衣装の準備をしたり、
しています!
チラシは私がデザインしましたが、日本の伝統色を背景に、題字は黒を使用しました。
墨汁で描いたような感じにしたかったので。
蝶々がとまっている真紅のお花は、このお話の結末を暗示しています。
『蝶々夫人』は悲しいお話ですが、稽古はとても楽しい。
今回は和物なので、今までにしたことの無いような勉強(?)もしています。
年末から日舞を習い始めました。
日舞といっても私の場合、立ったり、座ったり、うろうろしたりするだけで、なかなか先には進めないんですけれどね(汗)
ああ、なんで、もっと若い時にやっておかなかったんだろう~!
それから、すごくテキトーなんですが、着物も着られるようになりました。
「洗える着物」でそんなに値段の高くない物を買って、半幅帯と合わせて、稽古で着ています。
着物を着るようになってから、大河ドラマや時代劇の見方が今までと変わりました!
「西郷どん」の北川景子さんの衣装などとても素敵なので、毎回録画です。
その前に暗譜でした・・・。
がんばります。
徳島の伯母の家で、ずっと預かってもらっていた雛人形。
伯母は、旧節句になると出してくれて、時々写真を撮って見せてくれていました。
もっと感謝すれば良かった・・・(涙)
今年は東京の家に持ってきたので、私が飾りました。
お雛様の顔をじっくりと拝見するのは、本当に何十年ぶりだろうか・・・。
全員を持ってくることはできませんでしたので(涙)、ずいぶんと悩んだあげく、内裏雛だけを残し、他のメンバーは人形供養にしました。
メンバーは解散・・・。
伯母の家を片付けたときは、まだ暑い時期でした。
急いで片付けたためか、焦っていたのか、金屏風や雪洞は処分してしまったようです。
代わりに、他のメンバーの持ち物が寂しく残っていました・・・。
今はもう、持ち主の居ない道具類。
緋毛氈は段飾り用で大きすぎるので、小さく縫い直しました。
どうにか格好がつくように飾ったら、部屋は華やぎ、心なしかお雛様も嬉しそうな気がします。
古いお雛様ですが、上品な顔立ちとちょっとアンティークな感じが好き。
「来年は、金屏風を作ろうかなあ」なんて思いながら、今年は仕舞わせていただきました。
先日は久々にメトロポリタン・オペラのライブ・ビューイング(映画)に行ってきました。
演目は『トスカ』。指揮者も主要キャストも、それぞれがそれぞれの事情で全交代したという、いわくつきの(?)プロダクションです。
もともとのキャストも期待大だったのですが、変更後のキャストも、これがまた良い。
トスカ役には最近メトで次々と大きな役を歌っている若手ソプラノ、ソニア・ヨンチェヴァ(初役)、恋人のカヴァラドッシ役には熱いイタリア人テノール、ヴィットリオ・グリゴーロ(初役)。
グリゴーロ氏に関しては、来日時に公開レッスンやリサイタルを聴きに行ったこともあり、親近感もあります。
結果、観に行って良かった!
『トスカ』は何回も聴いているはずなのに、隅々まで「腑に落ちた」のは初めてかもしれません。
とてもリアリティのある演出でした。
「メトみたいな大舞台で急に役交代って、気負いは無いのかな」と余計な心配をしていましたが、幕間のインタビューを見る限りでは、2人ともとても舞台を楽しんでいる様子。
グリゴーロはイタリア人テノールらしく、はしゃいでしゃべる、しゃべる。
ヨンチェヴァは「トスカは前からやりたくて練習していた役」「メトは家族みたい」と目を輝かせている。
気負いなく、今できることのすべてをやるだけ。
若いけれど、すでに一流となった人たちの才能を目にすると、こちらも元気になります。
平昌オリンピックを見ている時も、そう思いました。
昨晩は、夜の美術館へ。
美術館のサポーター会員になっている友人に誘ってもらいました。
この三菱一号館美術館は、近代フランス美術を中心とした展示に特徴があるというだけでなく、建物自体もオシャレで、雰囲気をまるごと楽しめる美術館です。
ルドンはフランスの画家で、作曲家のショーソンなどとも交流があったようです。音声ガイドのバックに流れているショーソンやドビュッシーなどは、ルドンの後期の作品とぴったりでした。
ふむふむ、こういうイメージで歌えば良いんだな、と逆に思ったり。
ルドンの絵は、50歳くらいまでは黒っぽくて、眼球のお花だったり(!)、細胞に顔があったりと、怖い絵が多い。
妖怪っぽくて、これはこれで惹きつけられましたが。
展示も終盤に差し掛かったころ、照明を落とした小部屋に鮮やかに浮かび上がるパステル画「グラン・ブーケ(大きな花束)」!!
・・・しばし呆然としてしまいました・・・。
ただの綺麗な写生画じゃなくて、うまく言えないのですが、「眼球のお花」の妖しい要素がちゃんと残っているんですね。
この絵も含めて十数点は、ブルゴーニュ地方に住んでいたドムシー男爵という人のお城の食堂に飾られていたそうです。
それをまた集めて、日本で再現するというのは、すごい。
それにしても、こういう場所でお食事をしていたドムシー男爵って、いったいどんな人だったんだろうか。
奥様も超美人だし。(肖像画の展示あり)
ルドンのコレクションは、フランスのオルセー美術館の他には、岐阜県美術館が多かったです。
日本の地方の美術館には、こういう特徴のあるコレクションをしているところがあって、頑張っている。
いつか岐阜にも行ってみたい。
2月14日の夜は、新橋のアルテリーベさんでコンサートをさせていただきました。
お相手はメゾソプラノの星由佳子さん、ピアノは三浦愛子さんです。
「お食事できるようなくつろいだ空間で、気取らないコンサートをやってみたいなあ」と前から思っていましたので、とても良い経験ができました!
バラエティに富んだプログラムで、なかなか良いコンサートになったのでは、と思います(嬉)
バレンタインも最近、多様化しております。
どんな過ごし方をしても良いのです!
私の周りでも、お世話になった人にチョコレートで感謝を伝える、お歳暮的な日(?)になっている気がする・・・。
今年は、お客様と一緒に、音楽で楽しいバレンタインを過ごすことができました!
土曜日は、出身高校の同窓会のひとつである「白みそ餡餅雑煮の会」に参加してきました!
新橋にある、せとうち旬彩館(香川県と愛媛県の合同アンテナショップ)の2階「かおりひめ」さん、このフロアを貸し切りにしていただいての新年会です。
ちなみに、うちの実家は白みそで丸餅だけど、餡餅じゃあないですよ。
徳島だからか。
四国は全部一緒だと思っている人
・・・・・・なめたらあかんぜよ!(笑)
白みそ餡餅雑煮は、県民クイズなどで取り上げられたりすることもあって、聞いた人は「え~っ」って言うんですが、食べ慣れると美味しいです。
甘さと辛さのバランスが絶妙。
毎年、旧正月のこの時期に、同窓会で食べられるのはうれしいことです。
お料理は、「お刺身」「だし巻き卵」「黒豆」・・・などの他に、「まんばのけんちゃん(高菜などの野菜を炒めて、くずした豆腐と煮たもの)」「讃岐のおでん」「釜揚げうどん」などの郷土料理も出て、懐かしい味を堪能しました。
今回の雑煮の会は大盛況で、立ち飲みも出る満員御礼。
最後に私は歌わせてもらって、5月にやる『蝶々夫人』の宣伝もさせていただきました。
明日は別件で新橋行ってきます。
一週間前の水曜日、そうです、あの皆既月食の日、見学も兼ねてアルテリーベに行ってきました。
「クラシック(主に声楽)の生演奏が聴けるドイツ料理のお店」という、都内でも珍しいタイプの飲食店です。
飲食店で声楽の生演奏、というのを常時やっているのは、私の知っているところだと、トナカイ、ライオン、ジャルダン・ド・ルセーヌ、アルテリーベ、かなあ。
オペラ歌手にとっては、ホール以外でお客様に自分の演奏を聴いていただける大切な場所にもなっているようです。
今回私は、メゾソプラノの星さんに誘われて、2月14日の夜のコンサートに出演させていただくことになりました。
バレンタインなので、「愛」をテーマに、古今東西いろんな曲を集めて演奏する所存!
演奏の前には、まず「現場」を見てこなければ。
・・・というわけで行ってきましたが、新橋駅にも近く、木でできたアットホームな空間。この日は、テノールの村上さんと、関西から来られたソプラノのお二人で、お話も、歌も、楽しい夜となりました。
黒ビールがうまい。
ひとりで行ったけど、さみしくない(笑)
私たちの時も、来たお客様には楽しんで帰っていただきたい。
がんばろう~。
一昨日は、出演予定の三人で集まり、市ヶ谷で打ち合わせ。
昨日、関東地方は4年ぶりの大雪になりました。
昼ぐらいから降り始めた雪は、夜には20センチ以上積もっていました。
職場は午後5時過ぎに上がらせてもらったのですが、みんな考えることは同じで、午後5時~7時くらいに帰った人は混雑に巻き込まれた人が多く、どこかで飲んだりして遅めに帰った友人は、意外とすんなり帰れた様子。
悔しい。
けれど、電車が止まっちゃう可能性もあるわけだから、こういうのは一種の賭けですね~。
お天気の良い日ならともかく、結果的に荒天の中を小一時間散歩することになってしまいました(困)
東京じゃないみたいな街並み。
日曜日は、箱根登山鉄道とロープウェイに乗って大涌谷を目指すことにしました。
せっかく箱根に来たんだし。
早雲山から大涌谷へはロープウェイです。
乗る前に「メディカルシート」と書かれた、ウェットおしぼりを手渡されました。
そこには「火山性ガスによる事故防止のため、ご心配な方はゴンドラ内では口や鼻を覆うようにしてください」なんて書いてある。なんだか急にものすごいところに行くような気分になり、ドキドキ。
火山ガスの濃度によっては、ロープウェイが運休になることもあるようです。
そういえば何年か前は、立ち入り禁止にもなっていました・・・。
荒涼とした大地からは、白煙がもうもうと立ちのぼり、山の中腹にも所々白煙が見えます。
大きな白煙の向こうに太陽が重なったときは、神々しいような光景でした。
・・・地球は生きている!(突然ですが、そう思ったのです)
富士山マニアの友人たちは、夢中で富士山の写真を撮っていました。
こんなに綺麗に見えることはあまり無いそうです。
晴れた冬の日の富士山には凛とした美しさがあり、ここまで来て良かったと思いました。
最後は、黒たまごに初挑戦。
出来立てだということもありますが、なんだか普通のゆでたまごより美味しいような気がしました。
固ゆでなのに、ふわっとしているんですね。
化学反応でこんなに真っ黒になるなんて、不思議~。(注、中身は白です)
それにしても誰が最初にこんなこと考えたんでしょうかね。
週末を利用して、大学時代の友人と箱根に「湯治」に行ってきました。
今回の旅のテーマは「癒し」と「養生」。
・・・なので、
久々のロマンスカー。
このデザインの車両になってから乗るのは、初めてのような気がし
箱根湯本は思っていたより近くて、通勤プラスα、
さすが神奈川県。
宿に荷物を預けて、ランチとお茶へ。
ランチは「ユトリロ」さんのカレー、お茶は老舗和菓子店「
私のお茶碗はハート型です!(嬉)
近くに干物を焼いて試食できるお店があり、人だかりがしていたので、
この日の夕食は「養生食」の予定で、
宿は駅からそんなに離れてはいませんが、少し登った場所にあり、
チェックインを待っている間に自家製の生姜湯を出してくれて、
昔の和風建築の造りを出来るだけ残して、改築したようです。
夕ご飯は、玄米と野菜、豆腐などで、
朝ご飯も、かますの開きと湯豆腐などです。
ご飯を食べながら、しみじみと語り合いました。
豪華な食事をする旅も楽しいですが、
あけましておめでとうございます!・・・から10日も経ってしまいましたが(笑)
皆様良い新年をお迎えのことと思います。
先日、大和田の事務室にホール代金を払いに行った帰り、ちょうどプラネタリウムの最終投影が始まる時刻でした。
いつも気になりつつ、通り過ぎていたプラネタリウム。そういえばプラネタリウムなんて何年ぶりだろう、と思いつつ、引き返して12階へ。
両脇の展示を横目で見ながら、駆け足で入場成功。
間もなく、薄紫色だった部屋が徐々に暗くなり、投影が始まりました。
座席同士のスペースには充分ゆとりがあり、リクライニングになっているし、席を回すこともできます。
昔、野原で寝転がって、空を眺めたときのようです。
解説も丁寧でわかりやすく、40分くらいですが、とてものんびりできました。
ぜひまた来たいと思いました。
投影機は昔のものに比べるとコンパクトですが、高性能な感じのものでした。
というわけで、お正月っぽい写真が特に無いのですが、イタリアンレストランの店先の葉牡丹が綺麗だったので載せておきます。
今年もよろしくです。