2023年が暮れていく。
紅白歌合戦をつけっぱなしにして、掃除したり片づけしたりする。
いろいろ言う人はいるけれど、紅白が豪華なお祭りであることには変わりはなく、どのパフォーマンスも華やかだし、まさかクイーン&アダム・ランバートが聴けるとは思わなかった。エレファントカシマシの歌は昔から私を元気づけてくれるし。
ここから「ゆく年くる年」へと続く時間は、新しい年への切り替えとして、しみじみと1年を振り返る時間になるのだろう。
終わってみれば、それなりに良い1年だった。
報われない出来事もあったけれど、これが何かのきっかけになったり、ターニングポイントとなったりするのだと信じよう。
12月2日は、夏から稽古を重ねてきたオペラ『ドン・カルロ』の本番があった。
大好きなヴェルディの重厚な音楽に浸れた日々は幸せだった。
エリザベッタは初役だったけれど、今の私には精一杯くらいどうにか歌えたかなと思っている。
怖いので、録画はまだ見ていないけれど・・・(笑)
字幕の方からいただいた写真に、4幕のアリアで周りがフォンテンブローの森になっているシーンがあり、きれいだなと思った。シンプルな舞台だったけど、主催者やスタッフの思いがいっぱい詰まった舞台だったんだなと思う。
『ドン・カルロ』で想定以上に燃え尽きてしまい、そのあと気が抜けたのか風邪をひいてしまった。どうにか体調を持ち直して21日にはけやきホールで15分ほど歌った。
帰りにピアニストさんやお客さんと代々木上原で打ち上げができ、ちょっとした忘年会気分になった。
23日は新しくできた麻布台のクリスマスマーケットに。
うんと昔、フランクフルトでイブの日のクリスマスマーケットに行って赤ワインを飲んだことをぼんやりと思い出した。また海外に行けるのだろうか。
私は自分の人生をしっかり生きなければ。
1ヶ月も前の話になりますが、やはり私にとって大切なイベントだったので、記録しておきます。
10月26日【生田流正派創始百十周年記念演奏会】平井秀明先生の指揮する『冨嶽』(初演)に合唱のエキストラで出演させていただきました。
初NHKホール!
初NHKホールの楽屋!
お話をいただいた時はイメージがつかめなかったのですが、お琴は100面、合唱も60名以上。舞台上も、舞台から見える景色も、舞台裏の装置みたいなのも、それはそれは壮観な眺めで、圧倒されました。
お琴や尺八の音色は、私たち日本人にとって郷愁を誘う音色。これはDNAに刻まれているのかもしれませんね。
邦楽の人間国宝の方々の演奏も間近で聞くことができました。
楽屋でいただいたお弁当も全部美味しかった!
私のような者を「唄の先生」として温かく接してくださったことにも感謝です。
このような華やかな記念行事に参加させていただいたこと、大切にしたいと思っております。
6月最後の金曜日の30日。
イブニング・コンサート@ロイネットホテル西新宿、無事に終了しました。
雨の日でしたが、カフェはほぼ満席!
アットホームで良いコンサートになったなぁと思います。
お店の方がお料理を丁寧に手作りし、盛り付けしていらっしゃる。その様子を裏で目撃し、皆で成功させようとしているのがひしひしと伝わってきて感激です。
加藤優穂さんのクラリネットの無伴奏ソロでスタート。
器楽が入ると、コンサートに変化と厚みが出ます。
平井秀明先生のソフトな語り口での楽しいお話も、お客様を和ませてくださっていました。
私は、「オンブラマイフ」、『トスカ』のアリア、ガーシュインの「サマータイム」、イタリア歌曲の「忘れな草」など、よく知られていそうな曲をソロで、「ホフマンの舟歌」や夏のメドレーを、もうひとりのソプラノの吉見真帆さんと歌いました。
吉見さんはいろいろな「アヴェマリア」を、天使のような声で歌われていました。
コンサートはとても盛り上がりまして、アンコールリクエストを2曲もいただきました。
『椿姫』の「乾杯の歌」は用意してあったのですが、もう1曲は急遽「ふるさと」を皆で演奏しました。焦りましたが(笑)こういうのもまた楽しいものです。
お客様と懇親会もできて、またこういうことが少しずつできるようになったことに感謝です。
今年もあっという間にもう後半に入りました。
3月3日の「オペラ『トスカ』と室内楽の夕べ」無事に終わりました。
もう6日も前のことだけど。
御礼のメールを出したり、衣装を返したりしているだけで、どんどん日にちが経ってしまって・・・。
本番が近づくと、頭の中で、やらなければいけないことと出来ていないことが、ごちゃごちゃ、ぐるぐるになりまして、時間がいっぱい欲しいような、いや、勢いで早く終わって欲しいような、楽しいような、苦しいような、毎日複雑な気分でした。
「なんとかなる、なんとかならないかもしれないけど、なんとかするのだ!」と自分に言い聞かせながら頑張りました。
コンサートの構成としては、前半の室内楽はピースフルな音色で癒されてほしく、後半のオペラではサスペンスドラマで興奮してほしいわけでした。
今回はナレーションの台本も書きました。オペラを初めて観る人にも分かりやすくなるように、なおかつ『トスカ』が単なる恋愛ドラマで終わらないように、政治的な背景を織り込むなど工夫しました。
本番の日に至るまでいろんなことがありましたが、とにかく予定通り公演が出来て、本当に良かった。もう、これに尽きます。
リハを聞きながら、舞台袖で何だか泣きそうになってしまいました。
いかん、いかん、これから本番なのに、と思ったりして。
今回は最終的には、私の「推し」の人ばかりをお願いできましたので、個人的にも大満足です。
第1部~第2部を通して、良い音、良い声、音楽的な表現も素晴らしい方たちばかりなので、「一番幸せなのはそばで聴いている私かも」と思ったりしていました。
第2部のオペラは、練習でご一緒していましたので、特に強い思い入れがありました。
カヴァラドッシには華やかでかつ革命家なので芯の強い声、スカルピアには悪の要素があるけれど身分の高い人なのでノーブルな深い声、の方をお願いできました。
ピアノの河崎恵さんは、練習会場に置いてあるヤマハの古いアップライトからオーケストラの音を紡ぎ出せるツワモノです。
私の取り掛かりが遅かったため、最初は演奏会形式を予定していましたが、演技がつき、お客様にも楽しんでいただけたのではないかと思います。私たちも楽しかったです!
今は、共演者、スタッフ、全ての人にありがとうを言いたいです。
来てくださったお客様もありがとうございました!
年末年始は忙しくて落ち着かなかった。せっかく買ったTVガイドも、ついに1ページも開かないまま放置状態である。
年末から手掛けてきた調査の報告会が先日終わって、ようやく年が明けた気がする。
大好きな「ヒューガルデン」を飲みながら、「おめでとう」と静かにお祝いした。
気が付くと1月も20日を過ぎてしまっていた。
3月3日の「オペラ『トスカ』と室内楽の夕べ」の準備にかからなければ。
曲も仕上げなければならないが、今回は主催なので事務作業もしなければならない。
思えばここ数年、続いたコロナ禍のために、自分で企画することができなかった。
やりたい気持ちと尻込みする気持ちが引っ張り合いになった数年間だった。
今回の企画も、挫折しそうになる私を周りが何度も励ましてくれて、どうにか今がある。
皆、よく見捨てないでくれたなと思う。
昨日、会場となる渋谷区文化総合センター大和田に、チラシを届けに行った。
ここに来るのも久しぶりである。
安田侃氏の「帰門」を通り過ぎながら、昔の公演を振り返る。
私も多くの人と知り合うことができたけれど、出演者たちもまたそこから新しいつながりができて、別の公演で指揮を頼んだり、キャスティングしたりしているようだ。
そういう話を聞くとなんだか嬉しくなる。
人と人をつなぐことができた。それだけでもやってきた意味があるんじゃないかなと思うことにしている。
今の私は、夜明け前のような、ちょっとワクワクした気分である。